- 法人パソコン処分、適切にできていますか?
- 1. 法人がパソコン処分で押さえるべき法的義務
- 2. 法人パソコンの処分方法の種類と比較
- 3. データ消去の必須性とNIST基準
- 4. 法人PC処分の費用相場
- 5. 法人PC処分の手順ステップ(チェックリスト)
- 6. 処分業者の選定ポイント
- 7. Windows 10サポート終了とPC処分の関係
- 8. よくある質問(FAQ)
- Q1. 法人のパソコンを一般ごみとして捨てることはできますか? できません。法人がパソコンを処分する場合は、適切な許可を持つ専門業者に委託する必要があります。不法投棄や無許可業者への委託は法令違反となります。必ず専門の廃棄業者に依頼してください。 Q2. 初期化(工場出荷状態にリセット)すればデータは完全に消えますか?
- Q3. 古いPCでも無料で回収してもらえますか?
- Q4. データ消去証明書は必ず取得すべきですか?
- Q5. リース中のパソコンを処分したい場合はどうすればよいですか?
- Q6. 廃棄するPCに業務アプリのライセンスが入っている場合はどうすべきですか?
- Q7. 大量処分の場合、何台からまとめて依頼できますか?
- まとめ
- 株式会社HAKUにご相談ください
法人パソコン処分、適切にできていますか?
社内に眠る古いパソコン。「とりあえず倉庫に保管している」「まとめて廃棄業者に出した」——そんな状況ではないでしょうか。
しかし法人がパソコンを処分する場合、個人の廃棄とはまったく異なるルールと責任が伴います。不適切な処分は、法令違反・情報漏洩・社会的信用の失墜につながるリスクがあります。
本記事では、情シス・総務担当者が知っておくべき「法人パソコン処分の完全ガイド」として、法的義務から処分方法の比較・費用相場・業者選定のポイント・実務チェックリストまで、2026年版の最新情報を網羅的に解説します。
1. 法人がパソコン処分で押さえるべき法的義務
法人がパソコンを廃棄・処分する際には、複数の法律が関係します。知らなかったでは済まされないため、まずは法的義務を正確に把握しましょう。
1-1. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)
法人がパソコンを処分する場合、廃棄物処理法に従い、適切な許可を持つ専門業者に委託しなければなりません。
無許可業者に処分を委託した場合、委託者である法人自身も罰則の対象となる可能性があります(廃棄物処理法第25条・第26条)。具体的には5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(法人の場合3億円以下の罰金)という厳しい制裁が設けられています。
チェックポイント
- 委託する業者が適切な許可・認証を取得しているか確認する
- 廃棄証明書・データ消去証明書は適切に保管する
1-2. 個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)
2022年改正個人情報保護法では、個人データを第三者に提供する際の安全管理措置がより厳格化されました。廃棄するパソコンに個人データが残存している場合、適切に消去・破壊したことを確認する義務があります。
万が一、廃棄PCからデータが流出した場合、個人情報保護委員会への報告義務(漏洩等報告)が生じるとともに、損害賠償請求のリスクも高まります。
チェックポイント
- 廃棄前にデータ消去または物理破壊を実施する
- 消去・破壊の記録(証明書)を保管する
- 個人データの取り扱い状況を委託先(処分業者)が適切に管理しているか確認する
1-3. マイナンバー法(番号利用法)
マイナンバーを含む特定個人情報は、個人情報よりもさらに厳格な管理が求められます。マイナンバーが保存されているPCを廃棄する場合、特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(内閣府・個人情報保護委員会)に基づいた廃棄手続きが必要です。
具体的には「情報が漏洩しない方法での廃棄(専用ソフトによる消去、または物理的破壊)」と「廃棄の記録保管」が義務付けられています。
1-4. 資源有効利用促進法(PC リサイクル法)
2003年に施行された「資源の有効な利用の促進に関する法律」により、事業者(法人)が排出するPCはPCリサイクルの枠組みに基づいた適正処理が求められます。ただし事業系PCの場合は家庭系PCリサイクルマークとは仕組みが異なり、製造メーカーへの回収依頼か、専門の廃棄業者への委託が一般的です。
2. 法人パソコンの処分方法の種類と比較
法人がパソコンを処分する方法は大きく5つに分類できます。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社の状況に合った方法を選択しましょう。
2-1. 専門の廃棄・回収業者に委託
概要: 専門業者に収集・運搬・処分を委託する方法。大量処分や機密性の高いデータが含まれる場合に最も適しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用 | 無料〜有料(業者・台数・仕様により異なる) |
| データ消去 | 対応可能(オプションまたは標準) |
| 証明書 | 廃棄証明書・データ消去証明書の発行あり |
| 法令対応 | 廃棄証明書対応 |
| 向いている場面 | 10台以上の大量処分、機密データが含まれる場合 |
メリット: 法的手続きを一括で対応してもらえる。データ消去証明書を取得できる。
デメリット: 業者によって品質に差がある。悪質業者を選ぶとリスクがある。
2-2. メーカー回収(PCメーカーへの返却)
概要: Dell、HP、Lenovoなど主要PCメーカーの多くが、法人向けの回収プログラムを提供しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用 | メーカーによって無料〜有料 |
| データ消去 | メーカー指定の方法(事前消去が推奨される場合も) |
| 証明書 | 廃棄証明書の発行(メーカーにより異なる) |
| 向いている場面 | 同一メーカーのPCを少量処分する場合 |
メリット: 信頼性が高い。
デメリット: 大量処分には不向き。メーカーごとに手続きが異なる。
2-3. 自治体への回収依頼
概要: 一部自治体が事業系PCの回収を行っていますが、多くの自治体では事業系廃棄物は一般廃棄物の収集には含まれません。
注意点: 自治体に持ち込む場合でも「事業系一般廃棄物」として受け付けるかどうかは自治体によって異なります。事前に確認が必要です。データ消去対応は基本的に自社で行う必要があります。
2-4. 買取・リユース業者への売却
概要: 比較的新しいPC(製造から3〜5年以内が目安)は、リユース業者やオークションを通じて売却できる場合があります。
メリット: 費用がかからない、または収益を得られる場合がある。
デメリット: データ消去を確実に行わなければならない。古いPCは引き取り拒否されることも。法人の場合、売却先のデータ消去対応を確認する必要がある。
2-5. 社内での廃棄(物理破壊)
概要: HDDやSSDを自社で物理破壊してから廃棄する方法。ただし筐体部分は適切な廃棄業者に処理を依頼する必要があります。
メリット: データ漏洩リスクを自社内で最小化できる。
デメリット: 物理破壊後の筐体は別途廃棄処理が必要。物理破壊の専用機器が必要。
3. データ消去の必須性とNIST基準
法人PC処分で最も重要なのがデータ消去です。「削除した」「初期化した」だけでは不十分なケースがほとんどです。
3-1. なぜ「削除」「初期化」では不十分なのか
Windowsの「削除」やゴミ箱への移動は、ファイルの管理情報を消すだけで実際のデータはディスク上に残っています。「初期化(リセット)」も設定によってはデータが復元できる状態のまま残ることがあります。
市販の無料ソフト(Recuvaなど)でも削除済みデータが復元できてしまうケースは数多く報告されています。
3-2. 国際標準のデータ消去基準(NIST SP 800-88)
データ消去の信頼性を担保するため、国際的に参照されているのが米国国立標準技術研究所(NIST)の「NIST SP 800-88 Rev.1 Guidelines for Media Sanitization」です。
| 方式 | 概要 | 対象メディア |
|---|---|---|
| Clear(クリア) | 上書き消去。通常の復元ツールでは読み取れない状態にする | HDD・SSD |
| Purge(パージ) | より高度な消去。フォレンジックツールでも復元不可能にする | SSD・フラッシュメモリ |
| Destroy(物理破壊) | 媒体を物理的に破壊する | すべてのメディア |
特にSSDは上書き消去が困難な場合があるため、Purge(ATA Secure Eraseコマンドなど)または物理破壊が推奨されます。
関連記事: HDD物理破壊の方法と注意点|法人向け完全解説
関連記事: SSD処分の正しい方法|データ消去から廃棄まで
3-3. データ消去証明書の重要性
処分業者にデータ消去を依頼した場合、データ消去証明書(Sanitization Certificate)の発行を必ず求めましょう。この証明書は、万が一情報漏洩問題が発生した際に「適切な処分を実施した」ことを証明する重要な文書です。
証明書には以下の情報が含まれていることが理想です。
- 機器の識別情報(シリアル番号、型番)
- 消去日時・消去方法
- 担当者名・担当業者名
- 使用した消去ソフト・規格(NIST SP 800-88準拠など)
関連記事: データ消去証明書とは?取得方法と保管の重要性
4. 法人PC処分の費用相場
処分費用は台数・処分方法・データ消去の有無などによって大きく異なります。2026年現在の一般的な相場を確認しましょう。
4-1. 処分方法別・費用相場
| 処分方法 | 費用目安(1台あたり) | データ消去証明書 | |
|---|---|---|---|
| 専門処分業者(無料回収) | 0円(条件あり) | あり(要確認) | あり |
| 専門処分業者(有料) | 500〜3,000円程度 | あり | あり |
| メーカー回収 | 0〜3,300円程度 | あり(メーカーによる) | あり |
| 家電量販店 | 1,100〜3,300円程度 | なし〜一部あり | あり |
| 自社物理破壊 | 自社管理 | 別途必要 |
4-2. 大量処分の場合の費用感
10台以上の大量処分では、専門業者への一括委託が最もコスト効率が高くなるケースが多いです。業者によっては一定台数以上で無料回収になることもあります。
目安として、
- 10〜50台: 1台あたり0〜1,000円前後(業者・スペックによる)
- 51〜100台: 1台あたり0〜500円前後(交渉余地あり)
- 100台以上: 無料〜逆に買取になることも
なお費用の詳細は処分業者の選び方と密接に関連します。業者比較の詳細は「法人パソコン処分の費用相場」で解説しています。
5. 法人PC処分の手順ステップ(チェックリスト)
実務で使えるチェックリスト形式で、処分手順を整理します。
フェーズ1: 処分準備(処分決定〜業者選定前)
- [ ] 処分対象PCのリストアップ(型番・シリアル番号・台数の確認)
- [ ] 各PCに保管されている情報の洗い出し(個人情報・マイナンバー・機密情報の有無)
- [ ] リース・レンタル品でないか確認(リース品は契約に基づく返却が必要)
- [ ] 社内の情報セキュリティポリシー・廃棄規程の確認
- [ ] 上長・情報管理責任者への報告・承認取得
フェーズ2: 業者選定
- [ ] 適切な許可・認証の確認
- [ ] データ消去方法の確認(消去規格・消去証明書の有無)
- [ ] 廃棄証明書の発行可否確認
- [ ] 費用・見積もり取得(無料の場合は条件の確認)
- [ ] 会社概要・実績・口コミの確認
- [ ] 情報セキュリティ認証(ISO 27001等)の有無確認
フェーズ3: データ消去実施
- [ ] 処分前に全PCのデータバックアップ(必要なデータがある場合)
- [ ] データ消去ソフトによる完全消去 または 物理破壊の実施
- [ ] データ消去の実施記録(日時・担当者・方法)の作成
- [ ] 業者に依頼する場合は消去証明書の受領確認
フェーズ4: 引き渡し・廃棄
- [ ] 処分業者との引き渡し日程調整
- [ ] 引き渡し時の台数・シリアル番号の照合確認
- [ ] 廃棄証明書・データ消去証明書の受領
フェーズ5: 事後管理
- [ ] 廃棄証明書・データ消去証明書の保管(5年以上推奨)
- [ ] 社内台帳・資産管理システムからの削除
- [ ] 情報管理責任者への完了報告
6. 処分業者の選定ポイント
6-1. 必ず確認すべき5つのポイント
① 適切な許可・認証
都道府県や認定機関から適切な許可・認証を取得しているか確認してください。
② データ消去の品質と証明書の発行
NIST SP 800-88などの国際規格に準拠した消去を実施しているか、消去証明書を発行しているかを確認します。証明書にシリアル番号が記載されているかも重要です。
③ 情報セキュリティ体制
ISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)やプライバシーマークの取得は、情報セキュリティ体制の目安になります。
④ 法人取引実績・会社の信頼性
設立年数・取引法人実績・公開されている会社情報(住所・代表者名など)を確認しましょう。実績が豊富な業者は対応品質も安定しています。
⑤ 費用の透明性
無料と言いながら後から追加料金が発生するケースがあります。見積書の内訳を必ず確認し、追加費用の発生条件を事前に明確にしましょう。
6-2. 悪質業者の見分け方
以下に該当する業者は要注意です。
- 許可証番号を開示しない・確認を拒否する
- データ消去方法を明示しない・証明書を発行しない
- 口頭だけで契約書・見積書を出さない
- 会社住所・代表者が不明瞭
- 「無料」を強調するが条件が不明確
関連記事: 情報漏洩事例から学ぶ、PC廃棄リスクの実態
関連記事: データ消去の選び方|法人が知るべき3つの方法
7. Windows 10サポート終了とPC処分の関係
2025年10月14日にWindows 10の延長サポートが終了しました。これにより、多くの法人でWindows 10搭載PCの入れ替えが進んでいます。
サポート終了後もWindows 10を業務使用し続けることはセキュリティリスクが高まるため、早急な処分・リプレースが推奨されます。台数が多い場合は計画的な処分スケジュールを立てることが重要です。
8. よくある質問(FAQ)
Q1. 法人のパソコンを一般ごみとして捨てることはできますか? できません。法人がパソコンを処分する場合は、適切な許可を持つ専門業者に委託する必要があります。不法投棄や無許可業者への委託は法令違反となります。必ず専門の廃棄業者に依頼してください。 Q2. 初期化(工場出荷状態にリセット)すればデータは完全に消えますか?
一般的な初期化では、データが完全に消えるわけではありません。特にWindows 10/11の「このPCを初期化する」機能は、設定によってはデータが残存する場合があります。法人での処分では、専用のデータ消去ソフトによる上書き消去か、物理的な破壊が推奨されます。
Q3. 古いPCでも無料で回収してもらえますか?
業者によっては製造から一定年数以上経過したPCは有料になる場合があります。一般的に製造から7〜10年以上のPCは有料になりやすい傾向があります。ただし台数が多い場合は無料対応してくれる業者もあるため、事前に確認することが重要です。
Q4. データ消去証明書は必ず取得すべきですか?
法律で義務付けられているわけではありませんが、強く推奨されます。個人情報保護法・マイナンバー法の観点から、廃棄時の適切な処理を証明できる文書を保管することは、監査対応や万が一の情報漏洩トラブル時に非常に重要です。
Q5. リース中のパソコンを処分したい場合はどうすればよいですか?
リース中のパソコンはリース会社の所有物です。無断で廃棄・処分することはできません。リース期間終了後の処理はリース契約の内容に従います。中途解約の場合は違約金が発生することもあるため、必ずリース会社に確認してください。
Q6. 廃棄するPCに業務アプリのライセンスが入っている場合はどうすべきですか?
Microsoft OfficeやAdobe製品など、デバイスに紐づくライセンスは、廃棄前にライセンスの移行・無効化手続きが必要な場合があります。各ソフトウェアメーカーのライセンス規約を確認し、必要に応じてライセンス解除(デアクティベーション)を実施してください。
Q7. 大量処分の場合、何台からまとめて依頼できますか?
業者によって異なりますが、1台から対応している業者もあれば、10台以上を推奨している業者もあります。大量の場合はまとめて依頼することで費用が下がるケースが多いため、100台以上の処分が見込まれる場合は複数業者から見積もりを取ることを推奨します。
まとめ
法人パソコン処分は、単に「古いPCを捨てる」作業ではなく、法令遵守・情報セキュリティ確保・適正処理の三位一体が求められる重要な業務です。
本記事のポイントを振り返ります。
- 廃棄物処理法・個人情報保護法・マイナンバー法の遵守が必須
- 適切な許可を持つ専門業者への委託が基本
- データ消去はNIST基準に準拠した方法で実施
- 廃棄証明書・データ消去証明書を必ず取得・保管
- 処分手順をチェックリストで管理して抜け漏れを防ぐ
株式会社HAKUにご相談ください
株式会社HAKUは、法人向けパソコン処分の専門業者として、データ消去から廃棄証明書の発行まで一貫して対応しています。
- 1台から大量処分まで対応
- NIST SP 800-88準拠のデータ消去
- データ消去証明書・廃棄証明書を発行
- 情報セキュリティ体制の整った安心対応
まずはお気軽にお問い合わせください。
お見積もり・ご相談は無料です。


