HDDフォーマットのやり方と注意点|Windows・Macで安全に初期化する方法を解説【2025年版】

データ削除

HDDのフォーマットとは?目的と種類を理解しよう

「HDDのフォーマット」とは、ハードディスクドライブ(HDD)を初期化して利用可能な状態に整える作業を指します。WindowsやMacなどのOSで使用するために、HDDにファイルシステム(形式)を設定する必要があり、この作業を「フォーマット」と呼びます。

フォーマットの主な目的

HDDをフォーマットする理由はさまざまですが、主に以下の目的があります:

  • 新しいHDDをOSに認識させる
  • 不要なデータを完全に消去したい
  • 別の用途・OSで再利用する(例:Windows用 → Mac用)
  • 動作不良やウイルス感染への対処として初期状態に戻す

つまりフォーマットは、HDDの「お掃除」や「用途切り替え」のための手段であり、データ削除+記録方式の再設定を一括して行うものです。

フォーマットの種類と違い

フォーマットには大きく分けて2つの種類があります:

  • クイックフォーマット:ファイル管理情報のみを初期化。短時間で完了するが、データ自体は残っているため復元可能性がある。
  • フルフォーマット:ファイル管理情報の削除に加え、HDD全体をチェックして不良セクタを検出・処理。時間はかかるが安全性は高い。

処分や譲渡を目的とする場合は、フルフォーマットや専用ソフトによるデータ消去が推奨されます。

次のセクションでは、HDDをフォーマットする前に必ず知っておくべき注意点を詳しく解説します。

フォーマット前の重要な注意点|データ復元や誤操作を防ぐ

HDDをフォーマットする前に、必ず確認・対応しておくべきポイントがあります。これを怠ると、大切なデータが消えてしまったり、法的・セキュリティ上の問題が発生する恐れもあるため注意が必要です。

1. フォーマット=完全消去ではない

「HDDをフォーマットしたからデータはもう見られない」と思いがちですが、それは半分正解で半分間違いです。特にクイックフォーマットでは、ファイルの管理情報だけが削除され、データ本体は残ったままになります。

そのため、復元ソフトを使えばデータを取り戻せる可能性があるのです。個人情報や社内資料を含むHDDを処分・譲渡する際は、専用ソフトによる消去処理が必須です。

2. フォーマット対象を間違えない

操作ミスによる誤ったドライブのフォーマットは非常に多いトラブルのひとつです。特に、外付けHDDやUSBメモリ、複数ドライブが接続されているパソコンでは要注意です。

  • フォーマット対象のドライブ名・容量を事前にメモ
  • 使用中のディスク(Cドライブなど)にはロックがかかっているか確認
  • データが必要な場合は必ずバックアップを取得

3. バックアップを確実に取っておく

フォーマット後は、一部のデータ復旧も困難になる可能性があります。業務用ファイルや写真・動画など、大切なデータは必ず別メディア(外付けHDDやクラウドなど)にバックアップしてから作業に進みましょう。

4. 社内HDDは「誰が・いつ・なぜ」フォーマットしたか記録を残す

法人の場合、HDDのフォーマットは情報管理・資産管理の一環として扱う必要があります。機器管理台帳処分証明書の記録を残すことで、万一のトラブル時にも対応できます。

次のセクションでは、実際にWindowsでHDDをフォーマットする具体的な手順を、内蔵・外付けのケース別に解説します。

WindowsでHDDをフォーマットする手順【外付け・内蔵別】

Windows環境では、標準機能を使ってHDDのフォーマットが簡単に行えます。ここでは、外付けHDD内蔵HDDそれぞれのケースに分けて、具体的な手順を解説します。

外付けHDDのフォーマット方法(エクスプローラー使用)

外付けHDDは、もっとも一般的かつ手軽にフォーマットできる対象です。以下の手順で進めましょう。

  1. HDDをパソコンに接続し、エクスプローラーを開く
  2. 左メニューの「PC」または「このPC」をクリック
  3. 該当のHDDを右クリックし、「フォーマット」を選択
  4. ファイルシステム(例:NTFS、exFATなど)を選択
  5. 「クイックフォーマット」のチェックを外すとフルフォーマットに
  6. 「開始」ボタンをクリックし、完了を待つ

NTFS形式はWindows専用、exFATはWindowsとMacの両方で読み書き可能です。用途に応じて選択しましょう。

内蔵HDDのフォーマット方法(ディスクの管理ツール使用)

パソコンに内蔵されているHDD(データ用)は、「ディスクの管理」からフォーマットできます。

  1. 「スタート」ボタンを右クリックし、「ディスクの管理」を選択
  2. 一覧からフォーマットしたいHDDを探す(Cドライブ以外)
  3. パーティション部分を右クリックし、「フォーマット」を選択
  4. ボリュームラベル、ファイルシステムを設定
  5. 「クイックフォーマット」にチェックまたは解除(必要に応じて)
  6. 「OK」をクリックして実行

Cドライブ(OSが入ったドライブ)を稼働中にフォーマットすることはできません。OSを初期化したい場合は、後述する「回復メディア」や「Windowsのリセット機能」を利用する必要があります。

エラーやフォーマットできない場合の対処法

以下のようなエラーメッセージが出ることがあります:

  • 「Windowsはフォーマットを完了できませんでした」
  • 「アクセスが拒否されました」
  • 「RAWドライブです」

このような場合は、以下の対処法を試してみましょう:

  • PCを再起動して再接続
  • 他のUSBポートやケーブルに交換
  • ディスクの初期化・パーティション削除を「ディスクの管理」から行う
  • コマンドプロンプトの「diskpart」ツールで強制初期化

次のセクションでは、Mac環境でのHDDフォーマット手順を解説します。Windowsとは操作画面やファイルシステムの選択肢が異なるため、注意が必要です。

MacでHDDをフォーマットする手順【ディスクユーティリティ使用】

Macを使ってHDDをフォーマットする場合は、「ディスクユーティリティ」という標準アプリを使用します。インターフェースは直感的で扱いやすい一方、フォーマット形式の選び方には注意が必要です。

ディスクユーティリティの起動方法

まずは、HDDをMacに接続してから、以下の手順で操作を始めましょう。

  1. 「Launchpad」または「アプリケーション」フォルダを開く
  2. 「ユーティリティ」フォルダ内の「ディスクユーティリティ」を起動
  3. 左サイドバーからフォーマットしたいHDDを選択

HDDのフォーマット手順

ディスクユーティリティを使った基本的なフォーマット手順は以下の通りです:

  1. フォーマット対象のHDDを選び、「消去」ボタンをクリック
  2. 「名前」を入力(任意のボリューム名)
  3. 「フォーマット」欄で希望の形式を選択(下記参照)
  4. 「方式」は基本的に「GUIDパーティションマップ」を選択
  5. 最後に「消去」をクリックしてフォーマット開始

選べるフォーマット形式の特徴

Macでは以下のようなファイルシステムが選択できます:

  • APFS(Apple File System):macOS専用。高速で安全性も高いが、Windows非対応
  • Mac OS拡張(ジャーナリング):古いMacでも利用可。Time Machine対応
  • exFAT:Windows/Mac両方で使える。互換性重視の場合におすすめ
  • MS-DOS(FAT):古いシステム用。ファイルサイズの上限(4GB)に注意

Windowsと共有するHDDであればexFAT、Macのみで利用する場合はAPFSまたはMac OS拡張がおすすめです。

フォーマットできない場合の対応

「消去できません」「フォーマット失敗」などのエラーが出た場合は:

  • HDDが物理的に故障している可能性あり
  • セキュリティ設定や「SIP(System Integrity Protection)」の影響で保護されていることも
  • 別のUSBポート・ケーブルに変えて再試行
  • セーフモードまたはリカバリーモードでの消去も有効

次のセクションでは、フォーマット後に実施すべき安全対策と、HDDの廃棄・譲渡時に押さえるべきチェックポイントをまとめて解説します。

フォーマット後の安全対策|復元防止と廃棄・譲渡時のチェックリスト

HDDのフォーマット作業が完了しても、それだけでは情報漏えい対策として不十分な場合があります。とくに法人や個人情報を扱う業務用パソコンでは、完全消去・管理記録・物理破壊といった追加の安全対策が必要です。

1. 復元ソフトによるデータ読み取りに注意

通常のクイックフォーマットや単純な初期化では、市販のデータ復元ソフトで情報が取り出されるリスクが残ります。譲渡・売却を考えている場合には、以下のような対策を講じましょう:

  • 「ゼロ書き込み」や「ランダム書き込み」を行う専用消去ソフトを使用
  • データ消去証明書を発行できるサービスを利用
  • 複数回の書き込みで上書き(DoD方式など)

ファイルの削除=安全というわけではない点に注意が必要です。

2. 廃棄・譲渡前のチェックリスト

以下のようなチェックリストを使って、HDDの安全な処分・再利用を確実に行いましょう:

  • すべてのパーティションを消去したか
  • フォーマット形式が使用目的に合っているか
  • データ復元が困難な状態にしているか
  • 廃棄・譲渡先が信頼できる業者か
  • 必要に応じて処分記録や証明書を保管しているか

3. HDDを物理破壊する選択肢もある

機密性の高い情報が保存されていたHDDについては、最終的な安全対策として物理破壊を行うという方法もあります。ドリルで穴を空けたり、HDD破壊装置・データ消去業者を活用することで、復元リスクをゼロにできます。

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まとめ|用途に応じたフォーマット方法で安全なHDD運用を

HDDのフォーマットは、単なる初期化作業ではなく、情報保護・運用目的の切り替え・セキュリティ管理に直結する重要な作業です。クイックフォーマットとフルフォーマットの違い、WindowsとMacでの操作手順、さらには廃棄・譲渡時の注意点を理解することで、安心・安全なHDD活用が可能になります。

とくに法人や業務用HDDでは、誤操作によるデータ流出監査リスクを避けるため、フォーマット+データ完全消去 or 物理破壊という2段構えの対策が推奨されます。

HDDの処分や再利用を検討している方は、本記事の手順やチェックリストをぜひ参考に、トラブルのない運用管理を心がけてください。

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