HDD破壊機の選び方完全ガイド|情報漏洩を防ぐために知っておくべきこと全て

HDD破壊機 データ削除

HDDの物理破壊が求められる理由とは?

企業がパソコンやサーバーの入れ替え、リース契約の満了などで情報機器を処分する際、避けては通れないのが「データの完全な消去」です。

多くの機器には顧客情報や契約書、社内機密などの重要データが保存されており、適切な方法で処理しなければ情報漏洩リスクが生じます。

特に、初期化や論理消去だけでは専用ソフトを用いることでデータを復元されてしまうケースもあり、万全を期すために「HDDの物理破壊」が注目されています。

本記事では、HDD破壊の必要性や代表的な破壊方式の違い、破壊機の選び方、導入時のポイントまで、情報漏洩を防ぎたい法人担当者に向けてわかりやすく解説します。

HDD破壊機の基本知識|破壊方式とその違い

HDDやSSDの破壊には複数の方式が存在し、それぞれに特徴や適した用途があります。

主に使われている破壊方式には以下の3つがあります。

1. 穿孔(パンチ)方式

HDDに強力なピンや突起を押し当てて物理的に穴を開け、プラッタや基板を破壊する方式です。
内部データの読み出しを困難にするだけでなく、処理時間も短いため、業務現場で多く導入されています。
代表的な機器:ストレージパンチャーシリーズ(例:HDPN-04A、STPN-10-H)など。

2. 圧壊(クラッシュ)方式

HDDを強力な圧力で押し潰す方式です。筐体や内部構造が大きく変形するため、復元は非常に困難になります。
衝撃の強さゆえに、物理的な破壊の「見える化」にもつながり、コンプライアンス上の安心感を得やすいのも特徴です。
代表的な機器:クラッシュボックスシリーズ(例:HDB-15、DB-25II)など。

3. 破砕(シュレッダー)方式

HDDやSSDを粉砕処理する方式です。高度な処理設備が必要で、大量処理を行うデータセンターや専門業者で採用されています。
企業単体では導入ハードルが高く、レンタルや外注処理の対象となることが多いです。

上記のように、破壊方式にはそれぞれ長所と短所があります。
自社の処分対象台数、導入コスト、安全性の要件をふまえて、最適な方式を選択することが重要です。

導入時に知っておきたいHDD破壊機の選定ポイント

HDD破壊機を選ぶ際には、単に「破壊できるかどうか」だけでなく、用途や現場環境、処理対象の種類に応じた視点が重要です。以下に、導入前に確認しておきたいポイントを整理しました。

1. 対応メディアの種類

HDDだけでなく、SSDや2.5インチ・3.5インチ、ノート用・サーバー用など、処分対象となる記憶装置は多様です。
選定する際は、対象とする機器に適合した破壊機であるかを必ず確認しましょう。

2. 破壊方式と安全性

穿孔式・圧壊式・破砕式など、破壊方式によって破壊強度や処理の可視性、安全性は異なります。
オフィス内での使用を想定する場合は、粉塵や騒音の発生を抑えた製品を選ぶのが望ましいでしょう。

3. 処理スピードと作業効率

大量のHDDを一括処理したい企業では、処理スピードの早さや操作性が非常に重要です。
レバー操作のみで完了するタイプや、自動化されている機種であれば、人的コストも最小限に抑えられます。

4. 設置スペースと持ち運び

据え置き型と可搬型では、設置に必要なスペースや取り回しやすさが大きく異なります。
オフィス内の限られたスペースや、現地での破壊作業が求められる場合は、軽量かつコンパクトなモデルがおすすめです。

現場で選ばれているHDD破壊機4選とその特徴

ここでは、法人現場で実際に採用されている信頼性の高いHDD破壊機を4機種ご紹介します。用途や破壊方式に応じて、最適な選択が可能です。

ストレージパンチャー HDPN-04A

ストレージパンチャーHDPN-04A

持ち運びやすさと操作の簡単さから、現場対応に強みを持つモデルです。
コンパクトながらも、HDDに貫通穴を開けることで確実にデータ復旧を防止します。              

  • 破壊方式:物理穿孔(パンチ)
  • 対象メディア:HDD/SSD/テープメディア

ストレージパンチャー STPN-10-H

ストレージパンチャー STPN-10-H

高い破壊力と処理スピードを兼ね備えた業務用モデル。
1回の操作で複数の貫通穴を開けられるため、大量処理にも向いています。                   

  • 破壊方式:高圧物理穿孔(ダブルパンチ)
  • 対象メディア:HDD/SSD/テープメディア

クラッシュボックス HDB-15

クラッシュボックス HDB-15

HDDを強力な圧力で「破砕」するクラッシュ方式のエントリーモデル。
ハンドル操作だけで簡単に破壊できるため、導入のハードルが低いのも魅力です。

  • 破壊方式:圧縮クラッシュ
  • 対象メディア:HDD

クラッシュボックス DB-25II

クラッシュボックス DB-25II

HDDだけでなく、SSDや携帯電話の破壊にも対応した多機能モデル。
破壊跡が視覚的に分かりやすく、情報漏洩リスクを明確に排除できます。

  • 破壊方式:高圧クラッシュ+多方向押圧
  • 対象メディア:HDD

主要4機種のスペック比較表

機種名破壊方式対応メディア本体サイズ重量おすすめ用途
HDPN-04A物理穿孔(パンチ)HDD/SSD/テープメディアW182×D190×H281mm約15.5kg台数が少ない/SSDあり
STPN-10-H高圧物理穿孔(ダブルパンチ)HDD/SSD/テープメディアW280×D480×H470mm約20kg台数多い/SSDあり
HDB-15圧縮クラッシュHDDW160×D350×H220mm約10.5Kg台数が少ない/SSDなし
DB-25II高圧クラッシュ+多方向押圧HDDW200×D360×H250mm約23Kg台数が多い/SSDなし

HDD破壊機を導入するメリット・デメリット

HDD破壊機の導入は、情報漏洩対策として非常に有効ですが、一方で導入にあたってはコストや運用面での課題もあります。このセクションでは、導入を検討している法人が把握しておくべきメリット・デメリットを整理します。

メリット

  • 情報漏洩リスクを根本から排除できる
    データの復元が不可能になるほどの物理的損壊により、HDD内部の情報を完全に破壊できます。
  • 社内で完結するため即時対応が可能
    外部業者への発送や立ち会いなどが不要になり、回収〜破壊の工程を社内で迅速に行えます。
  • 監査・証明対応もスムーズに
    一部機種では破壊証明やシリアル番号管理など、コンプライアンス強化にも対応可能です。

デメリット

  • 初期費用が高額になりがち
    高性能なHDD破壊機は数十万円以上するため、初期投資としてのコスト負担は小さくありません。
  • 設置スペースや取り扱いルールの整備が必要
    一部の機器はサイズや重量があるため、設置場所の確保や運用フローの見直しが求められます。
  • 処分済み媒体の保管・廃棄にも注意が必要
    物理破壊後の媒体も産業廃棄物として適切に処理する必要があります。

導入の際は、これらのポイントを踏まえた上で、費用対効果と社内の運用体制に見合った機種選定を行うことが重要です。

導入時によくある失敗とその対策

HDD破壊機を導入したものの、思ったように運用できずにコストだけがかかってしまった──そんな失敗を防ぐためには、事前に「つまずきやすいポイント」と「その回避策」を理解しておくことが重要です。

1. 破壊機の性能が目的に合っていない

例えば、ノートPCの小型HDDばかり処理する現場に、企業向けの大型機種を導入してしまうと、オーバースペックになりがちです。逆に、サーバー用HDDの処理に対応していない機種では、処理ができず無駄な投資になります。

対策:処理対象の媒体サイズや数量、運用頻度に合わせてスペックを確認する。

2. 社内運用フローに合わず使われない

現場での使い勝手が悪かったり、破壊後の処分フローが整備されていなかったりすると、結局使われなくなってしまうケースがあります。

対策:導入前に実際の運用フローを設計し、誰が・いつ・どこで使うのかを明確にする。

3. 社内での理解・教育が不十分

HDD破壊の重要性や機器の正しい使い方が社内で共有されていないと、誤った操作や運用ルールの形骸化につながり、逆にリスクを高めてしまいます。

対策:導入時にしっかりと説明会やマニュアル整備を行い、社内教育を徹底する。

4. メンテナンスや保守を怠る

特に、手動タイプの破壊機は定期的な点検やメンテナンスが必要です。刃の摩耗や可動部分の劣化を放置すると、破壊力が落ちて十分に破壊できない場合があります。

対策:定期点検のスケジュールを設け、破壊後の状態も目視確認する運用を取り入れる。

このような「よくある落とし穴」を避けることで、HDD破壊機は確実かつ効果的な情報漏洩対策ツールとして機能します。

購入ではなくレンタルという選択肢

HDD破壊機の導入を検討する際、「購入」と「レンタル」のどちらが適しているかで悩む企業も多いのではないでしょうか。
特に中小企業や一時的な利用を想定しているケースでは、レンタルという選択肢が非常に有効です。

購入の場合のメリットとデメリット

  • メリット:繰り返し使用することでコストパフォーマンスが高まる。社内でいつでも破壊処理が可能。
  • デメリット:初期費用が高額。保管スペースやメンテナンスの手間が必要。

レンタルの場合のメリットとデメリット

  • メリット:初期費用が抑えられ、必要なときだけ使える。最新機種を試すことも可能。
  • デメリット:長期間の使用では費用がかさむ可能性がある。突発的な利用には事前予約が必要な場合も。

こんな企業にはレンタルがおすすめ

  • 年に数回のスポットでしかHDD破壊を行わない企業
  • 破壊作業を自社内で完結したい企業
  • 社内に保管スペースがなく、大型機器の管理が難しい企業
  • 実際に導入する前に、機器の使い勝手や処理性能を試したい企業

弊社では、HDD破壊機のレンタルサービスを提供しており、破壊対象に応じて複数機種から最適なものをお選びいただけます。
上記で紹介した4機種のレンタルに対応しているので、「とりあえず試してみたい」という方でも安心してご利用いただける好評のサービスとなっております。

HDD破壊機レンタルサービス

全国どこでもOK!使いたいときだけ使える「破壊機レンタル」で自社内データ消去

法人・個人問わず利用可能。専用HDD破壊機をご希望の期間だけレンタルし、社内でそのままデータ消去が可能。データ消去証明書の発行にも対応。設置・返却も簡単。高コストな購入不要の安心・全国対応サービスです。

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まとめ|自社に最適なHDD破壊機を見極めよう

HDD破壊機は、情報漏洩を防ぐための有効な手段であり、企業の信頼性やリスク管理に直結する重要なツールです。

破壊対象となるストレージの種類や量、作業頻度、作業場所などによって、最適な破壊機のタイプや導入方法(購入・レンタル)は大きく異なります。

「物理破壊=安全」ではなく、「適切な機器を選定し、確実に運用すること」が安全性を確保する最大のポイントです。

本記事のポイント

  • 論理消去だけでは不十分。物理破壊で確実にデータを消去する必要がある
  • 破壊方式には「穴あけ式」「圧潰式」などがあり、用途によって選定が必要
  • 使用頻度やスペースの都合により、「購入」よりも「レンタル」が適している場合も多い
  • 各機種には得意な用途があり、自社の目的に合わせて最適な製品を選ぶことが重要

情報機器の廃棄や入れ替えを検討中の企業様は、まずは破壊対象や用途に合わせて、信頼できる破壊機を選定するところから始めましょう。
導入に不安がある方や、どの機種が合っているかわからない方は、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。

HDD破壊機の導入・レンタルは株式会社HAKUへ

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