法人パソコン処分の完全ガイド【2026年版】|方法・費用・法的要件まで徹底解説

最終更新:2026年05月

社内に眠る古いパソコン。「とりあえず倉庫に保管している」「まとめて廃棄業者に出した」——そんな状況ではないでしょうか。

しかし法人がパソコンを処分する場合、個人の廃棄とはまったく異なるルールと責任が伴います。不適切な処分は、法令違反・情報漏洩・社会的信用の失墜につながるリスクがあります。

本記事では、情シス・総務担当者が知っておくべき「法人パソコン処分の完全ガイド」として、法的義務から処分方法の比較・費用相場・業者選定のポイント・実務チェックリストまで、2026年版の最新情報を網羅的に解説します。


1. 法人がパソコン処分で押さえるべき法的義務

法人がパソコンを廃棄・処分する際には、複数の法律が関係します。知らなかったでは済まされないため、まずは法的義務を正確に把握しましょう。

1-1. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)

法人がパソコンを処分する場合、廃棄物処理法に従い、適切な許可を持つ専門業者に委託しなければなりません。

無許可業者に処分を委託した場合、委託者である法人自身も罰則の対象となる可能性があります(廃棄物処理法第25条・第26条)。具体的には5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(法人の場合3億円以下の罰金)という厳しい制裁が設けられています。

チェックポイント

1-2. 個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)

2022年改正個人情報保護法では、個人データを第三者に提供する際の安全管理措置がより厳格化されました。廃棄するパソコンに個人データが残存している場合、適切に消去・破壊したことを確認する義務があります。

万が一、廃棄PCからデータが流出した場合、個人情報保護委員会への報告義務(漏洩等報告)が生じるとともに、損害賠償請求のリスクも高まります。

チェックポイント

1-3. マイナンバー法(番号利用法)

マイナンバーを含む特定個人情報は、個人情報よりもさらに厳格な管理が求められます。マイナンバーが保存されているPCを廃棄する場合、特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(内閣府・個人情報保護委員会)に基づいた廃棄手続きが必要です。

具体的には「情報が漏洩しない方法での廃棄(専用ソフトによる消去、または物理的破壊)」と「廃棄の記録保管」が義務付けられています。

1-4. 資源有効利用促進法(PCリサイクル法)

2003年に施行された「資源の有効な利用の促進に関する法律」により、事業者(法人)が排出するPCはPCリサイクルの枠組みに基づいた適正処理が求められます。事業系PCの場合は、製造メーカーへの回収依頼か、専門の廃棄業者への委託が一般的です。


2. 法人パソコンの処分方法の種類と比較

法人がパソコンを処分する方法は大きく5つに分類できます。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社の状況に合った方法を選択しましょう。

2-1. 専門の廃棄・回収業者に委託

概要: 専門業者に収集・運搬・処分を委託する方法。大量処分や機密性の高いデータが含まれる場合に最も適しています。

専門業者による法人パソコン回収作業(株式会社HAKU)
専門業者に委託することで、収集・運搬・データ消去・証明書発行までを一括依頼できます。
項目 内容
費用 無料〜有料(業者・台数・仕様により異なる)
データ消去 対応可能(オプションまたは標準)
証明書 廃棄証明書・データ消去証明書の発行あり
法令対応 廃棄証明書対応
向いている場面 10台以上の大量処分、機密データが含まれる場合

メリット: 法的手続きを一括で対応してもらえる。データ消去証明書を取得できる。

デメリット: 業者によって品質に差がある。悪質業者を選ぶとリスクがある。

2-2. メーカー回収(PCメーカーへの返却)

概要: Dell、HP、Lenovoなど主要PCメーカーの多くが、法人向けの回収プログラムを提供しています。

メリット: 信頼性が高い。

デメリット: 大量処分には不向き。メーカーごとに手続きが異なる。

2-3. 自治体への回収依頼

概要: 一部自治体が事業系PCの回収を行っていますが、多くの自治体では事業系廃棄物は一般廃棄物の収集には含まれません

注意点: 事前に確認が必要です。データ消去対応は基本的に自社で行う必要があります。

2-4. 買取・リユース業者への売却

概要: 比較的新しいPC(製造から3〜5年以内が目安)は、リユース業者を通じて売却できる場合があります。

メリット: 費用がかからない、または収益を得られる場合がある。

デメリット: データ消去を確実に行わなければならない。古いPCは引き取り拒否されることも。

2-5. 社内での廃棄(物理破壊)

概要: HDDやSSDを自社で物理破壊してから廃棄する方法。ただし筐体部分は適切な廃棄業者に処理を依頼する必要があります。

メリット: データ漏洩リスクを自社内で最小化できる。

デメリット: 物理破壊後の筐体は別途廃棄処理が必要。物理破壊の専用機器が必要。


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3. データ消去の必須性とNIST基準

法人PC処分で最も重要なのがデータ消去です。「削除した」「初期化した」だけでは不十分なケースがほとんどです。

3-1. なぜ「削除」「初期化」では不十分なのか

Windowsの「削除」やゴミ箱への移動は、ファイルの管理情報を消すだけで実際のデータはディスク上に残っています。「初期化(リセット)」も設定によってはデータが復元できる状態のまま残ることがあります。

市販の無料ソフト(Recuvaなど)でも削除済みデータが復元できてしまうケースは数多く報告されています。

3-2. 国際標準のデータ消去基準(NIST SP 800-88)

データ消去の信頼性を担保するため、国際的に参照されているのが米国国立標準技術研究所(NIST)の「NIST SP 800-88 Rev.1 Guidelines for Media Sanitization」です。

方式 概要 対象メディア
Clear(クリア) 上書き消去。通常の復元ツールでは読み取れない状態にする HDD・SSD
Purge(パージ) より高度な消去。フォレンジックツールでも復元不可能にする SSD・フラッシュメモリ
Destroy(物理破壊) 媒体を物理的に破壊する すべてのメディア

特にSSDは上書き消去が困難な場合があるため、Purge(ATA Secure Eraseコマンドなど)または物理破壊が推奨されます。

3-3. データ消去証明書の重要性

処分業者にデータ消去を依頼した場合、データ消去証明書(Sanitization Certificate)の発行を必ず求めましょう。この証明書は、万が一情報漏洩問題が発生した際に「適切な処分を実施した」ことを証明する重要な文書です。

証明書には以下の情報が含まれていることが理想です。

詳しくはデータ消去証明書とは?取得方法と保管の重要性をご参照ください。


4. 法人PC処分の費用相場

処分費用は台数・処分方法・データ消去の有無などによって大きく異なります。専門処分業者への委託は条件次第で無料〜3,000円程度、メーカー回収は0〜3,300円程度が目安です。各方法の詳細な費用比較・条件・注意点は【2026年版】法人パソコン処分の費用相場で詳しく解説しています。


5. 法人PC処分の手順ステップ(チェックリスト)

実務で使えるチェックリスト形式で、処分手順を整理します。

フェーズ1: 処分準備(処分決定〜業者選定前)

リースPCの処分についてはリースPC返却・廃棄の正しい判断もご参照ください。

フェーズ2: 業者選定

フェーズ3: データ消去実施

フェーズ4: 引き渡し・廃棄

フェーズ5: 事後管理


6. 処分業者の選定ポイント

6-1. 必ず確認すべき5つのポイント

① 適切な許可・認証
都道府県や認定機関から適切な許可・認証を取得しているか確認してください。

② データ消去の品質と証明書の発行

NIST SP 800-88などの国際規格に準拠した消去を実施しているか、消去証明書を発行しているかを確認します。証明書にシリアル番号が記載されているかも重要です。

③ 情報セキュリティ体制

Pマーク・ADEC認証の取得は、情報セキュリティ体制の目安になります。

④ 法人取引実績・会社の信頼性

設立年数・取引法人実績・公開されている会社情報(住所・代表者名など)を確認しましょう。実績が豊富な業者は対応品質も安定しています。

⑤ 費用の透明性

無料と言いながら後から追加料金が発生するケースがあります。見積書の内訳を必ず確認し、追加費用の発生条件を事前に明確にしましょう。

6-2. 悪質業者の見分け方

以下に該当する業者は要注意です。

HAKUへよくあるご質問

「無料で本当に大丈夫ですか?」というお問い合わせが多数

HAKUへのお問い合わせで最も多いのが「無料と書いてあるが本当に追加料金は発生しないのか」というご確認です。HAKUが無料でご提供できる理由は、回収したパソコンをリユース・マテリアルリサイクルに活用することで収益を得ているためです。

追加料金が発生する条件(HAKUの場合):出張回収はシステム上、東京23区の法人向け・PC限定が無料の対象。PC以外の機器(サーバー・ネットワーク機器・モニターなど)は別途ご相談ください。モニターの処分について詳しくは液晶モニターの処分方法8選【2026年版】をご参照ください。


7. Windows 10サポート終了とPC処分の関係

2025年10月14日にWindows 10の延長サポートが終了しました。これにより、多くの法人でWindows 10搭載PCの入れ替えが進んでいます。

サポート終了後もWindows 10を業務使用し続けることはセキュリティリスクが高まるため、早急な処分・リプレースが推奨されます。台数が多い場合は計画的な処分スケジュールを立てることが重要です。

HAKUの現場から

Windows 10サポート終了後、法人依頼が1.5〜2倍に急増

株式会社HAKUでは、2025年10月のWindows 10サポート終了以降、法人からのPC処分依頼が1.5〜2倍のペースで増加しています。一度に数十台〜数百台規模の依頼も増えており、早めのご相談をお勧めしています。東京23区の法人は無料出張回収、全国の法人は郵送回収(PC送壊ゼロ)でご対応しています。

区ごとの詳細(出張費・台数条件):千代田区港区新宿区渋谷区文京区など


まとめ

法人パソコン処分は、単に「古いPCを捨てる」作業ではなく、法令遵守・情報セキュリティ確保・適正処理の三位一体が求められる重要な業務です。

  1. 廃棄物処理法・個人情報保護法・マイナンバー法の遵守が必須
  2. 適切な許可を持つ専門業者への委託が基本
  3. データ消去はNIST基準に準拠した方法で実施
  4. 廃棄証明書・データ消去証明書を必ず取得・保管
  5. 処分手順をチェックリストで管理して抜け漏れを防ぐ

株式会社HAKUにご相談ください

株式会社HAKUは、法人向けパソコン処分の専門業者として、データ消去から廃棄証明書の発行まで一貫して対応しています。

まずはお気軽にお問い合わせください。お見積もり・ご相談は無料です。

お問い合わせはこちら | 法人向けサービス詳細

費用相場について詳しくは【2026年版】法人パソコン処分の費用相場もご参照ください。

法人のパソコンを一般ごみとして捨てることはできますか?
できません。法人がパソコンを処分する場合は、適切な許可を持つ専門業者に委託する必要があります。不法投棄や無許可業者への委託は法令違反となります。必ず専門の廃棄業者に依頼してください。
初期化(工場出荷状態にリセット)すればデータは完全に消えますか?
一般的な初期化では、データが完全に消えるわけではありません。特にWindows 10/11の「このPCを初期化する」機能は、設定によってはデータが残存する場合があります。法人での処分では、専用のデータ消去ソフトによる上書き消去か、物理的な破壊が推奨されます。
古いPCでも無料で回収してもらえますか?
業者によっては製造から一定年数以上経過したPCは有料になる場合があります。一般的に製造から7〜10年以上のPCは有料になりやすい傾向があります。ただし台数が多い場合は無料対応してくれる業者もあるため、事前に確認することが重要です。
データ消去証明書は必ず取得すべきですか?
法律で義務付けられているわけではありませんが、強く推奨されます。個人情報保護法・マイナンバー法の観点から、廃棄時の適切な処理を証明できる文書を保管することは、監査対応や万が一の情報漏洩トラブル時に非常に重要です。
リース中のパソコンを処分したい場合はどうすればよいですか?
リース中のパソコンはリース会社の所有物です。無断で廃棄・処分することはできません。リース期間終了後の処理はリース契約の内容に従います。中途解約の場合は違約金が発生することもあるため、必ずリース会社に確認してください。
大量処分の場合、何台からまとめて依頼できますか?
業者によって異なりますが、1台から対応している業者もあれば、10台以上を推奨している業者もあります。大量の場合はまとめて依頼することで費用が下がるケースが多いため、100台以上の処分が見込まれる場合は複数業者から見積もりを取ることを推奨します。
手塚久雄

手塚久雄

株式会社HAKU 代表取締役

パソコン処分・データ消去専門業者「株式会社HAKU」代表。累計10,000社超の法人PC処分・データ消去を手がけ、Pマーク・ADEC認証取得のもと安全な処分を提供しています。

▶ 監修者プロフィール

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Pマーク・ADEC認証取得 / 累計10,000社超の実績 / 最短当日受付

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