最終更新:2026年10月29日
パソコン本体の裏面や側面に、「PCリサイクル」と書かれた小さなシールが貼られているのを見たことはないでしょうか。
これはPCリサイクルマークと呼ばれるもので、メーカーが無償で回収・リサイクルする対象であることを示しています。ただし、この制度が使えるのは家庭で使われていたパソコンに限られます。法人で使っていたパソコンは、たとえマークが付いていても無料回収の対象外です。マークがない家庭用パソコンや自作パソコンは、料金を払えば回収してもらえます。
この記事では、PCリサイクルマークの対象範囲と、家庭用・法人用で扱いがどう違うのかを整理し、マークがない場合や法人パソコンを処分する場合の選択肢まで解説します。
PCリサイクルマークとは?家庭用パソコンと法人用パソコンの違い
パソコンは資源有効利用促進法により、メーカーに回収・リサイクルが義務づけられています。家庭で使っていたパソコンも、事業所で使っていたパソコンも、メーカーに回収を依頼できます(経済産業省「パソコンのリサイクル」)。
「PCリサイクルマーク」は、このうち家庭向けパソコンに関わる表示です。2003年10月以降に販売された家庭向けパソコンに貼られており、マークがあれば廃棄するときに新たな料金を負担せずにメーカーに回収してもらえます。リサイクル費用が販売価格に含まれているためです(パソコン3R推進協会「PCリサイクルマークについて」)。
マークは本体の背面や底面などに貼られています。一般社団法人パソコン3R推進協会の会員メーカーだけが使えるマークで、2003年10月以降に会員メーカーが出荷した家庭向けパソコンに付いています。
制度の背景と目的
使用済みパソコンをメーカーが回収し、部品や素材として再資源化することで、資源の有効利用を進めるのが制度の目的です。回収の対象になる機器は次のとおりです。
- デスクトップパソコン本体
- ノートパソコン
- 液晶ディスプレイ・CRT(ブラウン管)ディスプレイ
- 液晶一体型・CRT一体型パソコン
購入時に同梱されていたキーボード・マウス・コード類などの標準添付品は、パソコンと一緒に出せば回収されます。一方で、経済産業省はタブレット端末は対象外としており、有機ELディスプレイも対象に含まれていません。プリンターやサーバー、ワークステーションも対象外です。なお、タブレットを自主的に回収しているメーカーもあります(パソコン3R推進協会「PCリサイクルQ&A」)。
マークがない家庭用パソコンの料金
2003年9月以前に購入したパソコンなど、マークがない家庭用パソコンも回収してもらえますが、回収再資源化料金がかかります。料金はメーカーが製品の種類ごとに独自に決めており、料金には回収の送料が含まれています。具体的な金額は各メーカーの受付窓口で確認してください。
なお、マークがないパソコンでも、一部の製品は申し込みに応じてメーカーがマークを送ってくれる場合があります。
メーカーがない・自作パソコンの場合
倒産や事業撤退でメーカーがなくなったパソコン、自作パソコン、個人輸入したパソコンは、パソコン3R推進協会が有料で回収します(パソコン3R推進協会「メーカー名が見当たらない場合」)。この場合はマークが付いていても協会の料金が必要です。2026年10月時点の料金(1台あたり・税込)は次のとおりで、振込手数料は別にかかります。
| 区分 | 料金(税込) |
|---|---|
| デスクトップ本体・ノート・液晶ディスプレイ・液晶一体型 | 4,400円 |
| CRTディスプレイ・CRT一体型 | 5,500円 |
出典:パソコン3R推進協会 申込みページ(2026年10月14日確認)
ブランドが他社に引き継がれている場合は、引き継いだメーカーが窓口になります(例:IBMのパソコンはレノボ)。まずは協会のページで確認しましょう。
メーカーへの申込みの流れ
- パソコンのメーカーの受付窓口(Web・電話)に申し込む
- マークがない場合は回収再資源化料金を支払う(郵便振替のほか、メーカーによってクレジットカードなども可)
- メーカーから「エコゆうパック」の伝票が届く(宛先・依頼主は印字済み)
- データを消去し、梱包して伝票を貼る
- 郵便局の窓口に持ち込むか、戸口集荷を依頼する(送料はかかりません)
コンビニエンスストアなど郵便局以外の取扱所では受け付けていない点に注意してください。本体とディスプレイのメーカーが違う場合は、それぞれのメーカーに申し込みます。データの消去は、引き渡す前に自分で済ませておく必要があります(パソコン3R推進協会「リサイクルの手順」)。メーカーごとの具体的な手順と料金は、東芝(dynabook)、NEC、富士通、DELL、HP、Lenovo、ASUS、Acer、VAIO、Panasonic、ドスパラ、EPSON、iiyama、jumper、Atrustの各記事で紹介しています。
「マークがある=どんなパソコンでも無料で捨てられる」は誤解
PCリサイクルマークがあると「無料で処分できる」と思いがちですが、無料になるのは家庭から出すパソコンの場合です。事業所から出すパソコンは、家庭向けの受付からは申し込めません。また、メーカーが存在しないパソコンは、マークがあっても協会の料金がかかります。
次のセクションでは、法人のパソコンとリサイクルマークの関係や、実際に起きやすい誤解について解説します。
法人パソコンにリサイクルマークは関係ない?誤解とその理由
法人で使っていたパソコンは、PCリサイクルマークによる無料回収の対象外です。そもそも事業向けパソコンにはマークが付けられていません。ここは企業の担当者が誤解しやすいポイントで、処分時の想定外の費用につながります。
DATA|メーカー回収の9割超は「家庭から」
- 2025年度に協会会員メーカーが回収した使用済みパソコンは258,707台(回収重量1,454.9トン)。前年度の約1.1倍です
- うち家庭から廃棄されたものが242,722台で約94%。事業系(企業など)は15,985台にとどまります
- 協会は、回収が増えた要因をWindows 10のサポート終了に伴う買い替えと推測しています
出典:一般社団法人パソコン3R推進協会「使用済みパソコンの回収実績【2025年度】」「2025年度 使用済パソコンの回収実績について」(2026年6月15日公表)。合計は家庭系・事業系の値を当社で合算
メーカー回収の実績も9割超が家庭からのものです。法人のパソコンは、メーカー回収以外のルートで処分されていることが多いと考えられます。法人の処分では、マークの有無ではなく依頼先の選び方が実務上の論点になります。
メーカー無償回収は"家庭用PC"に限られる
PCリサイクルマークによる無償回収は、家庭から出すパソコンが対象です。次のようなパソコンは家庭向けの受付では扱われません。
- 会社の業務で使っていたパソコン(事業所から排出されるもの)
- 法人名義で購入したパソコン
- リース契約のパソコン(所有者はリース会社のため、まず契約の返却条件を確認します)
事業所から出るパソコンもメーカーに回収してもらえますが、有償です。パソコン3R推進協会は、参加メーカー約30社に代わって事業系パソコンを回収する「事業系PC小口回収スキーム」を運営しています。Webで見積もり・契約を行い、データ消去は利用者自身が行ったうえで宅配便で送る仕組みです。処分の証明として資産滅却報告書が発行され、産業廃棄物のマニフェストは不要とされています(パソコン3R推進協会「事業系PCリサイクル」)。
実際によくある誤解と問い合わせ例
当社にも、次のようなご相談が寄せられます。
- 「リサイクルマークが付いているからメーカーが無料で引き取ってくれると思った」
- 「家庭用PCと同じモデルなのに無料にならなかった」
- 「そもそもマークがどこにあるかわからないが、法人用PCでも使えるのでは?」
判断の基準は型番ではなく、家庭から出すのか、事業所から出すのかです。会社で使っていたパソコンを家庭向けの受付に申し込むことはできません。
法人のパソコン処分は別ルートでの対応が必要
このように、法人のパソコンにはPCリサイクルマークの有無は処分方法に直接関係しません。メーカーの有償回収か、専門業者への委託かを選ぶことになります。どちらの場合も、データ消去を誰がどの方法で行うかと、証明書に何が記載されるかを確認しておくことが重要です。
次のセクションでは、「自治体回収」「家電リサイクル法」などとの混同によって起こりがちな誤解について解説します。
自治体や家電リサイクル法と混同しやすいポイント
パソコンの処分で混乱しやすいのが、「粗大ごみ」「家電リサイクル法」「パソコンのリサイクル(資源有効利用促進法)」の違いです。
「自治体の粗大ごみ」にパソコンは出せる?
パソコン本体は、粗大ごみとして回収していない自治体が多いです。たとえば東京都文京区は、パソコンを粗大ごみで回収せず、メーカーへの依頼(自作パソコン等はパソコン3R推進協会)を案内しています(文京区「パソコン」)。
家庭のパソコンは、小型家電リサイクル法にもとづく回収ルート(自治体の回収ボックスや、国の認定事業者による宅配回収など)も利用できます。扱いは自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の案内を確認してください。
家電リサイクル法との違い
「テレビや冷蔵庫と同じように、パソコンも家電リサイクル法の対象では?」と思う方も多いですが、パソコンは家電リサイクル法の対象外です。
家電リサイクル法の対象品目は次の4品目です。
- テレビ(ブラウン管、液晶、プラズマ、有機EL)
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
- エアコン
有機ELテレビは2024年4月1日から対象に加わりました(港区「テレビ・エアコン・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機(家電リサイクル法対象品)」)。パソコンは、家電リサイクル法ではなく資源有効利用促進法にもとづいてメーカーが回収します。
法人の場合はさらにルートが異なる
法人のパソコンは、家庭向けの仕組みがそのまま使えない点に注意が必要です。
- 自治体の収集=家庭ごみが対象。事業活動で出たパソコンは出せない
- PCリサイクルマークによる無償回収=家庭向けのみ。事業系はメーカーの有償回収
- 家電リサイクル法=パソコンはそもそも対象外
事業者は、事業活動で出た廃棄物を自らの責任で適正に処理しなければなりません(廃棄物処理法第3条)。そのため法人は、自社の責任で適切な回収ルートを確保する必要があり、データ消去と証明書の対応まで含めて依頼先を選ぶことが重要です。次のセクションでは、法人パソコンを安全・無料で処分する方法について解説します。
法人パソコンを安全・無料で処分する方法|データ消去と証明書対応まで
法人で使われていたパソコンは、自治体の収集やPCリサイクルマークによる無償回収では処分できません。ただし、条件を満たせば無料で回収し、データ消去と証明書発行まで対応する専門業者を利用すれば、コストと手間を抑えられます。
なぜ法人のPCは「安全な回収」が必要なのか
法人のパソコンには、次のような業務データや個人情報が残っていることが少なくありません。
- 顧客情報・社員情報
- 取引先の契約書・請求書
- 設計データ・企画資料
フォーマットや初期化だけでは情報が確実に消去されないため、適切なデータ消去処理と証明書発行ができる回収業者を選ぶことが重要です。
HAKUのパソコン無料回収サービス(東京・埼玉・千葉・神奈川の法人向け出張回収)の特徴

当社の法人向け出張回収では、地域ごとの台数条件を満たせば、次の対応をすべて無料で行います。
- 不要パソコンの出張回収(千代田区・中央区・港区・台東区・文京区・渋谷区・新宿区は1台から。その他の地域は5台・10台・30台・50台・100台以上で無料)
- HDDなど記憶装置のデータ消去(物理破壊・ソフト消去・磁気消去のいずれかを当社で選んで実施)
- 製品受領証明書 兼 データ削除完了証明書の発行(PDF)
- サーバー、液晶モニター(32インチ未満)、ネットワーク機器なども無料で回収
リサイクルマークの有無やメーカーは問いません。壊れていても、古くて動かなくても回収します。台数条件を満たさない場合の出張費や、追加料金がかかる機器(大型モニター・プリンター等)は「サービス条件一覧」でご確認ください。消去方法を指定したい場合は、有償のHDD・SSD物理破壊サービスをご利用ください。
詳細は以下の専用ページをご覧ください。
▶ 法人向けパソコン無料回収サービス(東京・埼玉・千葉・神奈川の出張回収)
処分までの流れ
- お電話またはフォームからお申込み
- 担当者より日程調整・回収方法のご案内
- 出張回収、持込(千代田区外神田の事務所)、または郵送
- データ消去処理・証明書発行
出張回収は東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県が対象です。それ以外の地域の拠点からは、郵送で全国から受け付けています。まずはお気軽にご相談ください。
次のセクションでは、個人のお客様がリサイクルマークの有無に関わらず、郵送でパソコンを処分できる方法をご紹介します。
パソコンの処分・データ消去はHAKUへ
無料回収(東京・埼玉・千葉・神奈川の法人)/持込(千代田区)/全国郵送
Pマーク取得 / ADEC消去プロセス認証★★★取得
個人でも安心|PCリサイクルマークがなくても郵送で無料回収できます
「リサイクルマークがないから、パソコンを処分できないのでは?」と不安になる個人の方も多いですが、当社ではマークの有無にかかわらず、個人・法人とも郵送による無料回収サービスを提供しています。
リサイクルマークがなくても処分可能な理由
メーカー回収では、マークがない家庭用パソコンに回収再資源化料金がかかり、メーカーがない・自作のパソコンは協会の料金(デスクトップ・ノートで4,400円/台・税込)がかかります。当社の郵送回収はメーカー回収とは別の仕組みのため、マークの有無やメーカーに関係なく無料で受け付けています(送料のみご負担)。たとえば次のようなパソコンにも対応できます。
- リサイクルマークがついていない古いパソコン
- 自作パソコン・BTOパソコン
- 壊れて起動しないPC
郵送回収サービス「PC送壊ゼロ」の特徴

当社のパソコン郵送回収サービス「PC送壊ゼロ」は、個人・法人どちらでも全国からご利用いただけます。
- 送料のみの負担で自宅から発送可能(段ボールに詰めて送るだけ)
- データ消去と、製品受領証明書 兼 データ削除完了証明書の発行が無料(HDD・SSD内蔵時。消去方法の指定はできません)
- 対象機器が豊富(ノートPC・デスクトップ・一体型・Macなど)
詳細は以下の専用ページをご覧ください。
最小限の手間で、安心して不要なパソコンを処分できる仕組みとなっています。法人だけでなく、個人の方でも処分に困っている場合はぜひご活用ください。
まとめ|パソコン処分は"マークの有無"より"正しい依頼先"選びがカギ
PCリサイクルマークは、あくまで家庭用パソコンを無料でメーカー回収するための表示です。法人のパソコンにはマークが付かず、メーカー回収は有償になります。マークがない家庭用パソコンや自作パソコンも回収してもらえますが、料金がかかります。また、タブレットはパソコンのリサイクルの対象外です。
特に法人では、データ消去・証明書の発行・一括回収など、より高度な対応が求められます。誤って自治体や不適切な業者に依頼してしまうと、情報漏洩・法的リスク・コスト増に繋がる可能性もあるため、処分先の選定が最も重要です。
当社では、法人のお客様には出張回収(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)、個人・法人のお客様には郵送・持込の無料回収をご提供しています。マークの有無に関係なく、安全で確実なパソコン処分をご希望の方は、ぜひご相談ください。
正しい知識と回収ルートを知ることで、パソコン処分はもっと簡単・安全に行えます。本記事を参考に、不要になったパソコンの適切な処理をご検討ください。
よくある質問(FAQ)
パソコンの処分・データ消去はHAKUへ
無料回収(東京・埼玉・千葉・神奈川の法人)/持込(千代田区)/全国郵送
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