最終更新:2026年10月14日
ルーターやスイッチ、NASといったネットワーク機器は、社内ITインフラの中核を担う存在です。しかし廃棄・処分の際に適切な対応を怠ると、設定情報・パスワード・アクセスログなどが外部に漏洩するリスクがあります。パソコンと同様、ネットワーク機器の処分にも「データ消去」の視点が欠かせません。
本記事では、ネットワーク機器の処分前に必ず行うべき確認事項から、法人・個人それぞれに適した処分方法まで、実務に役立つ情報を詳しく解説します。
ネットワーク機器とは?対象となる機器一覧
ネットワーク機器とは、複数のパソコンやサーバー、スマートデバイスを接続し、データ通信やインターネット接続を可能にする装置のことです。企業だけでなく家庭でも利用されており、オフィスのITインフラには欠かせない存在です。
以下のような機器がネットワーク機器に該当します:
- ルーター:インターネット接続の中継装置。Wi-Fi機能付きのモデルも一般的
- スイッチングハブ:社内ネットワークの有線接続を分岐・制御する機器
- モデム:アナログ回線(電話回線)からの信号をデジタルに変換する機器
- NAS(ネットワークHDD):共有ファイル保存用のネットワーク接続型ストレージ(データ消去・外付けHDDの処分は外付けHDD・NASの処分方法で詳しく解説しています)
- アクセスポイント(AP):Wi-Fi環境を拡張するための中継機器
- UTM・ファイアウォール:企業のセキュリティ対策に使われる統合的な防御機器
これらの機器には設定情報やアクセスログ、場合によってはパスワード情報が保存されていることがあり、適切な処分を怠ると情報漏洩リスクにつながる点が特徴です。
なぜネットワーク機器の処分には注意が必要なのか
ネットワーク機器は、見た目こそ単なる電子機器に見えるかもしれませんが、実際にはデータ通信の中枢を担う存在です。内部には設定情報、接続履歴、SSIDや暗号キー、パスワード、ファイアウォールルールなど、外部に漏れてはならない情報が保存されている場合があります。
特に法人利用の場合、社内ネットワークのIPアドレス構成やVPN設定情報などが残っていることもあり、不用意に廃棄・譲渡した場合、セキュリティ上の重大なリスクにつながる可能性があります。
また、NASなどのストレージ機能を備えた機器では、ファイルそのものが保存されているケースもあるため、パソコンと同様の「データ消去対策」が必須となります。NASのデータ消去・外付けHDDの処分は外付けHDD・NASの処分方法で詳しく解説しています。
処分前に確認すべき3つのポイント
ネットワーク機器を処分する際は、機器の種類や状態にかかわらず、以下の3つのポイントを必ず確認しておく必要があります。
1. データが残っていないか
ルーターやNAS、UTMなどのネットワーク機器には、意外にも多くの情報が残っている場合があります。Wi-FiのSSIDやパスワード、管理画面へのログイン情報、VPNの接続設定、アクセスログなどが代表的です。
特に法人の場合は、ネットワーク構成が外部に漏れることで、悪意あるアクセスのリスクが生じる可能性があります。メーカーが案内する手順で初期化(工場出荷時リセット)を行い、情報を消去した状態で処分することが重要です。初期化の方法はメーカーや機種、OSのバージョンによって異なります。主なメーカーの公式情報は次のとおりです(2026年10月時点)。
| メーカー・製品 | 公式に案内されている初期化方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| Cisco(IOS XE搭載ルーター) | 特権EXECモードで factory-reset all secure を実行。Ciscoは、NIST SP 800-88 Rev.1 に沿ったデータのサニタイズを行うオプションとして案内しています(Cisco公式ドキュメント) |
対応可否は事前に factory-reset ? で確認。all secure はスタンドアロン構成の機器のみ |
| ヤマハ(RTXシリーズ) | cold start コマンド、本体ボタン、Web GUIのいずれかで工場出荷時の状態に戻す(RTX1300ユーザーガイド) |
不揮発性メモリーの設定ファイルとSYSLOGは消去され、ファームウェアは残る。必要な設定やログは事前に退避 |
| NEC(UNIVERGE IXシリーズ) | コンフィグレーションモードで erase startup-config を実行してスタートアップコンフィグを削除し、reload で再起動(NEC公式の手順ページ) |
手順は機種ごとのマニュアルでも確認 |
| Fortinet(FortiGate) | execute factoryreset で初期化し、ディスク搭載機は execute erase-disk でディスクをランダムデータで上書き。その後ブートデバイスをフォーマットしてファームウェアを再ロード(Fortinetコミュニティのテクニカルティップ) |
ログ保存用のディスクを内蔵する機種は、初期化だけで済ませずディスク消去まで行う |
機器にmicroSDカードやUSBメモリを挿して設定やログを保存している場合は、本体の初期化とは別に、それらの記録メディアも抜き取って消去・破壊しましょう。故障して初期化ができない機器は、記憶部品の物理破壊を検討します。
2. リース品・資産管理品でないか
ネットワーク機器は、自社購入だけでなく、リース契約や保守契約付きで導入されているケースがよくあります。この場合、処分や譲渡が禁止されていたり、返却義務があったりするため、社内のIT担当者や管理部門への確認が欠かせません。
また、資産管理番号や社内シールが貼られている場合は、社内の台帳への登録・抹消処理を行ってから回収や廃棄に進むことが望ましいです。
3. 法人の場合は証明書や契約の有無
企業のIT機器を外部に処分する際は、「いつ・誰が・どこで・どのように廃棄したか」を記録として残す必要があります。回収証明書やデータ消去証明書の発行対応がある業者を選ぶことで、社内監査やコンプライアンス上のリスクを回避できます。
また、情報セキュリティに関する社内規定や契約上の取り決め(NDAなど)で、一定の消去基準(NIST SP 800-88準拠、物理破壊など)が求められているケースもあります。なお、以前よく指定されていた米国国防総省の DoD 5220.22-M 方式(複数回の上書き)は、2025年9月に公開された NIST SP 800-88 Rev.2 で「obsolete(時代遅れ)」と明記され、複数回の上書きは不要と整理されています。古い社内規程の場合は見直しも検討しましょう。事前に確認しておくことで、不要なトラブルを防ぐことができます。物理破壊が求められる場合は、HDD・SSD物理破壊サービスで機器から取り外したストレージを破壊し、証明書を発行できます。
証明書の重要性についてはデータ削除証明書とは?もご参照ください。
ネットワーク機器の処分方法4選
ネットワーク機器の処分には、家庭用・法人用を問わずさまざまな方法があります。ここでは代表的な4つの処分手段について、それぞれのメリット・注意点とともに解説します。
1. メーカー・販売店による回収
メーカーの回収制度は、資源有効利用促進法にもとづくパソコン・ディスプレイの回収が中心で、ルーターやスイッチを個人から無料で回収する制度はあまり見られません。法人向けには、たとえばバッファローが委託先(日野金属産業)を通じて、自社製ディスプレイや各種OA機器の廃棄を個別見積・有償で受け付けており、回収時にはマニフェスト(産業廃棄物管理票)の発行が必要です(バッファロー商品リサイクルへの取り組み)。利用したいメーカーがあれば、対象機器と費用を事前に確認しましょう。
また、家電量販店でも下取りや買い替え時の回収サービスを行っている場合があり、個人利用者にとっては手軽な選択肢です。ただし、法人対応やデータ消去証明書の発行には非対応なケースが多いため、企業利用では注意が必要です。
2. 専門業者による回収・買取
ネットワーク機器専門の回収業者や中古買取業者では、リユース可能な機器であれば無料回収や買取に対応しています。状態が良い業務用ルーターやハイエンドNASなどは、中古市場で一定の価値があるため、処分コストを抑えることができます。
業者によっては、初期化やデータ消去を行った上で再販しているところもあり、法人向けにデータ消去証明書を発行するケースもあります。
3. 自治体・粗大ごみとしての廃棄
ネットワーク機器は、自治体によっては「小型家電回収ボックス」や「粗大ごみ回収」で処分可能です。特にルーターやスイッチングハブのような小型機器は、地域の回収ルールに従えば比較的簡単に廃棄できます。
ただし、NASやUTMなどデータ保存機能がある機器を処分する場合は、処分前にデータ消去や初期化を必ず行う必要があります。また、法人は自治体回収の対象外となることが多く、専門業者への委託が必要です。
4. 法人向けIT機器回収サービスの利用
法人でネットワーク機器を安全かつ確実に処分したい場合は、IT機器回収サービスを提供する専門業者の利用がおすすめです。パソコンやサーバーの回収に加えて、ルーター・スイッチ・NASなどネットワーク機器にも対応している業者が多く存在します。
出張回収や大量一括処分、データ消去(論理/物理)の実施、データ消去証明書・回収証明書の発行など、法人ならではの要件に応じた対応が受けられます。特に情報漏洩リスクを回避したい企業にとっては、もっとも安心・合理的な方法です。
株式会社HAKUでも、ルーター・スイッチなどのネットワーク機器、NAS、サーバーを無料回収の対象としています(郵送・持込は個人・法人とも、出張回収は法人のみ)。
法人・個人で異なるおすすめの進め方
ネットワーク機器の処分は、「法人」と「個人」で求められる対応が大きく異なります。処分する機器の種類や規模だけでなく、情報セキュリティの要件や証明書の必要性など、目的に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。
個人の場合は、家庭用のWi-FiルーターやNASなどが主な対象となります。リサイクルショップへの持ち込みや、家電量販店の下取り、自治体の小型家電回収ボックスなどを利用すれば、比較的簡単に処分できます。ただし、NASのように内部にデータが保存されている機器については、初期化や物理的な破壊など、最低限のデータ消去作業を忘れないよう注意が必要です。
一方、法人の場合は、情報漏洩リスクの回避が最優先事項となります。ルーターやスイッチは、メーカー手順での工場出荷時リセット(初期化)が基本です。パソコンのように業務ファイルを保存する機器ではないため、通常はHDD破壊のような処理までは必要ありません。ただし、ログ保存用のディスクを内蔵するUTM・ファイアウォール、故障して初期化できない機器、社内規程で物理破壊が求められている場合は、ディスク消去や記憶部品の物理破壊を検討します。一方、NASはHDD内に実データが保存されるため、パソコンと同様のデータ消去が必要です。また、処分後に「回収証明書」の提出を求められることもあり、信頼できるIT機器回収業者に依頼するのが安心です。
さらに、法人ではリース契約や資産管理の観点もあるため、勝手に廃棄せず、社内フローや契約条件を必ず確認しておく必要があります。まとめて回収・記録を残したい場合は、無料回収+証明書対応を行う業者に依頼すれば、セキュリティ面・コスト面ともに合理的に対応できます。
ネットワーク機器の当社での扱い
- ルーター・スイッチなどのネットワーク機器、NAS、サーバーは無料回収の対象です。無料回収ではデータ消去の方法を指定できません(弊社で選定)が、製品受領証明書 兼 データ削除完了証明書をPDFで無料発行します
- 設定情報や認証情報が残る機器の物理破壊にも対応します。NASは2,090円/台(1〜10台)、ルーター・スイッチ・UTMは機器の種類により異なるため別途ご相談ください
- サーバー内蔵のHDD・SSDは、取り外し済みなら1,540円/台(1〜10台)、取り外し作業込みなら2,090円/台です
- 社外への持ち出しが禁じられている場合は、オンサイト出張破壊(16,500円〜/名・東京23区の料金)で現地作業ができます
料金・台数条件の詳細は「サービス条件一覧」が基準です。/株式会社HAKU(ADEC消去プロセス認証★★★・Pマーク取得・2026年9月時点で累計取引社数15,000社突破)
ネットワーク機器の処分・データ消去はHAKUへ
無料回収(東京・埼玉・千葉・神奈川の法人)/持込(千代田区)/全国郵送
Pマーク取得 / ADEC消去プロセス認証★★★取得
まとめ|安全なネットワーク機器処分で情報漏洩を防ぐ
ネットワーク機器は、単なるハードウェアではなく、日々の業務や生活を支える情報の要でもあります。だからこそ、その処分にはデータ消去と物理廃棄の両面からの慎重な対応が求められます。
とくに法人では、機器の種類によって対応が異なります。ルーター・スイッチはメーカー手順での工場出荷時リセットが基本ですが、UTMなどログ用ディスクを持つ機器はディスク消去まで行い、NASはHDD内の実データを確実に消去する必要があります。いずれの機器も、廃棄記録や証明書を残す「管理された処分プロセス」が重要です。
個人でも、家庭用のWi-FiルーターやネットワークHDDに保存された情報が第三者に渡れば、プライバシー侵害やアカウント流出の原因になりかねません。処分前には必ず、初期化やデータ消去を行い、安心して手放せる状態に整えてから廃棄・回収へ進みましょう。
ネットワーク機器の処分は「機器を捨てる」だけでなく、「情報を守る」ための大切なプロセスです。ご自身や自社の環境にあった方法を選び、安全・確実な対応を心がけましょう。
ネットワーク機器の処分・データ消去はHAKUへ
無料回収(東京・埼玉・千葉・神奈川の法人)/持込(千代田区)/全国郵送
Pマーク取得 / ADEC消去プロセス認証★★★取得 / 累計取引社数15,000社突破