最終更新:2026年10月9日
オフィス移転は、社内に眠っていた古いパソコン・サーバー・モニター・周辺機器が一度に表に出てくるタイミングです。什器や書類の処分は移転業者や産廃業者に頼めても、パソコンだけは「データが入っている」ため同じ扱いにできません。消去の記録を残さずに手放すと、移転後に「あのPCはどこへ行ったのか」を説明できなくなります。
この記事では、移転を担当する総務・情シスの方向けに、いつ・何を・どの順番で進めれば、移転当日にパソコンの処分で詰まらないかを、スケジュール・データ消去・証明書・費用の4つに分けて整理します。弊社HAKUの条件はサービス条件一覧を基準にしています。
オフィス移転でパソコン処分が後回しになる理由
移転プロジェクトでは、新オフィスのレイアウト・回線・什器の手配が先に決まり、「不要になるもの」の処分は最後に回りがちです。特にパソコンは次の3つの理由で止まりやすくなります。
- 資産台帳と現物が合わない:退職者の返却PC、倉庫の予備機、壊れたまま置いてある機器が台帳に載っていない、または台帳にあるのに現物がない。
- 処分の決裁が別ルート:什器は総務、PCは情シスと所管が分かれ、処分の承認が二重になる。固定資産の除却処理も必要になる。
- データの責任が残る:什器と違い、手放したあとも中のデータに対する責任は会社にあります。消去の証拠がないと、監査や取引先への説明で困ります。
結論から言うと、移転の3か月前に「処分対象のPCを数える」ところから始めれば間に合います。以下、時系列で説明します。
移転までのスケジュール(3か月前〜当日)
| 時期 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 3か月前 | 処分対象の洗い出し、台帳との照合、処分方針の決定(売却/リユース/廃棄) | リース品・レンタル品は返却が別ルート。混ぜない |
| 2か月前 | 回収業者の選定、見積り、契約(消去方式・証明書の内容・再委託の有無を確認) | 台数が確定していなくても概算で予約を入れておく |
| 1か月前 | 回収日の確定、社内告知(私物データの移行・持ち出し禁止の周知)、バックアップ | 回収日は「旧オフィスの引き渡し日の1週間前」が目安 |
| 1週間前 | 搬出場所に集約、台数の最終確認、周辺機器・記録メディアの仕分け | 梱包は不要。1か所にまとめるだけでよい |
| 当日 | 立ち会い、台数の確認、受領書の受け取り | エレベーターの有無・搬出経路を事前に伝えておく |
| 回収後1〜2週間 | データ削除証明書の受領、台帳の更新、固定資産の除却処理 | 証明書は監査用に保管 |
処分対象の洗い出しと台帳との照合
最初にやるべきは「数える」ことです。移転のときに出てくる機器は、デスク上のパソコンだけではありません。
- デスクトップPC・ノートPC(現用/予備/故障)
- サーバー・NAS(サーバールーム、キャビネットの中)
- 液晶モニター(32インチ未満かどうかで費用が変わります)
- スマートフォン・タブレット・携帯電話
- 外付けHDD・USBメモリ・SDカード・バックアップテープ・CD/DVD
- ルーター・スイッチ・UTM などのネットワーク機器
- キーボード・マウス・ケーブル類、プリンター・複合機
洗い出した一覧を固定資産台帳・IT資産管理台帳と突き合わせ、「売る/リユースに出す/廃棄する」と「リースの返却」に分けます。有価で売却できる機器は廃棄物にあたらず、廃棄物として処理する場合は廃棄物処理法の委託基準が関係します。この区分の考え方は「法人パソコンの処分・廃棄方法【2026年版】」で詳しく解説しています。リース・レンタルの返却機は返却前のデータ消去が必要なので、「リースPC返却時のデータ消去」をご覧ください。
移転業者・産廃業者・PC回収業者の分担
移転時の「不要品」はまとめて1社に頼みたくなりますが、実務では次の分担が一般的です。
| 品目 | 主な依頼先 | 理由 |
|---|---|---|
| 什器・書類・備品 | 移転業者/産廃業者 | マニフェスト管理を含め産廃の実務に慣れている |
| 複合機・大型プリンター | リース会社/メーカー/産廃業者 | リース品が多い。HAKUでは複合機・縦横高さ合計170cm以上の機器はお引き取りできません |
| パソコン・サーバー・モニター・周辺機器・記録メディア | PC専門の回収業者 | データ消去と証明書が必要。無料で引き取れる |
| リース・レンタルのPC | リース会社へ返却 | 返却前に自社で消去、または消去証明を取っておく |
HAKUの無料回収でお引き取りできる機器は、パソコン本体のほか、サーバー、32インチ未満の液晶モニター、HDD・SSD・NAS、ネットワーク機器、スマートフォン・タブレット、電話機、キーボード・マウス・ケーブル類などです。詳しくはサービス条件一覧「5. PC以外に無料で回収できる機器」をご確認ください。
データ消去と証明書:移転時に残すべき記録
移転後に残しておくべき記録は3つです。①どの機器を(型名・台数、できればシリアル)、②誰が・どの方式で消去し、③いつ引き渡したか。これが揃っていれば、ISMS・Pマークの審査や取引先からの問い合わせに答えられます。
- 消去方式:HAKUの無料回収では、物理破壊・ソフトウェア消去・磁気消去のいずれかを弊社が選定して実施します(NIST SP 800-88 Rev.2 準拠)。全台を物理破壊で確定させたい場合や、1台ごとに破壊写真を残したい場合は、有償のHDD・SSD物理破壊サービスになります。
- 証明書:無料回収では「製品受領証明書 兼 データ削除完了証明書」をPDFで無料発行します(1枚30行、超過分の2枚目以降も無料)。シリアルナンバーの記載は、お客様からリストをご提供いただければ無料、弊社で取得・リスト化する場合は一式2,200円(税込)です。
- タイミング:証明書は回収後1〜2週間でメールでお届けします。移転後の台帳更新・固定資産の除却処理に間に合うよう、回収日を旧オフィス引き渡しの1週間前に設定しておくと余裕があります。
記録メディア(USBメモリ・SDカード・テープ等)は、無料回収ではパソコン本体の台数と同数までは無料でお引き取りし、消去は弊社で実施します(方式の指定はできません)。
費用:無料になる範囲と、費用がかかるケース
HAKUの法人向け無料回収は、処分料・データ消去・証明書発行がすべて0円です。費用が発生するのは次のケースです。
- 出張回収の台数条件を満たさない場合:地域ごとに無料になる台数が決まっています。東京23区は区ごとに1台・5台・10台以上、東京都下・埼玉県・千葉県・神奈川県は30台・50台・100台以上が目安で、条件を満たさない場合の出張費は5,500円・13,200円・16,500円・19,800円・27,500円(いずれも税込)のいずれかです。移転でまとまった台数が出る場合は、ほとんどのケースで無料の条件を満たします。
- 3階以上でエレベーターがない建物:階段作業費3,300円(税込)が別途必要です。1階または屋外まで下ろしていただければ無料です。
- 大型モニター・プリンター:32〜58インチのモニターは出張回収で5,500円、CRTは6,600円、プリンター・スキャナー・シュレッダーは縦横高さの合計で1,100〜5,500円(いずれも税込)。複合機・170cm以上は不可。
- 記録メディアが本体台数を超える分:550円/台(税込)。
地域ごとの台数条件の一覧はサービス条件一覧「4. 無料回収(出張)の台数条件」に掲載しています。法人PC処分の費用全体の相場感は「法人パソコン処分の費用相場」をご覧ください。
回収当日の流れと準備
- 申し込み時に伝えること:住所、台数(概算でOK)、エレベーターの有無と階数、搬出経路(台車が通れるか、屋外までの距離)、希望日時。移転前は時間指定が集中するので、2時間枠で早めに押さえます。
- 前日まで:処分機器を1か所にまとめる。梱包は不要です。リース返却品・売却品と混ざらないよう、付箋やテープで区別しておきます。
- 当日:弊社スタッフが搬出します。台数を一緒に確認し、受領書をお渡しします。社員の立ち会いは1名で足ります。
- 回収後:1〜2週間でデータ削除証明書(PDF)をメール送付。台帳を更新し、除却処理へ。
サーバーやネットワーク機器が多い場合は、アンラックからの撤去を含む「サーバー撤去・廃棄サービス」もあります。機器ごとの処分の考え方は「サーバー処分ガイド」「ネットワーク機器の処分」にまとめています。
オフィス移転PC処分チェックリスト
| 確認項目 | 担当 | 済 |
|---|---|---|
| 処分対象のPC・サーバー・モニター・周辺機器・記録メディアを全拠点で洗い出した | 情シス | ☐ |
| 固定資産台帳・IT資産台帳と照合し、責任者が承認した | 総務・経理 | ☐ |
| リース・レンタル品を分け、返却手順を確認した | 総務 | ☐ |
| 回収業者の消去方式・証明書の内容・再委託の有無を確認した | 情シス | ☐ |
| 回収日を旧オフィス引き渡しの1週間前までに確定した | 総務 | ☐ |
| 社員に私物データの移行・持ち出し禁止を周知した | 総務・情シス | ☐ |
| エレベーターの有無・搬出経路を業者に伝えた | 総務 | ☐ |
| 証明書を受領し、台帳更新と除却処理を行った | 総務・経理 | ☐ |
まとめ
オフィス移転でのパソコン処分は、3か月前に数えて、2か月前に業者を決め、引き渡し1週間前に回収する——この順番さえ守れば、当日に慌てることはありません。什器は移転業者、パソコンはデータ消去と証明書ができる回収業者、と分担すれば、処分料も消去料もかけずに記録だけを残せます。
HAKUでは、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の法人様の移転に伴う回収を、台数条件を満たせば出張費無料でお受けしています。台数が確定していない段階でも、日程の仮押さえからご相談ください。
よくある質問(FAQ)
オフィス移転のパソコン回収・データ消去はHAKUへ
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無料回収は怪しい?よくある誤解と、無料にならないケース
「無料」と聞くと身構えてしまう方は少なくありません。ここでは実際によく聞かれる誤解と、無料の範囲に入らないケースを整理します。
誤解1:タダより高いものはない、あとで請求されるのでは
正規の業者であれば、回収後に費用を請求されることはありません。ただし「無料」と広告しながら回収時に高額な処分費を求める事業者が実在するのも事実です。申し込みの時点で、どこまでが無料でどこから費用が発生するのかを明示しているかどうかが判断材料になります。
誤解2:個人情報を抜き取られるのでは
判断の手がかりは、許可の有無・データ消去の方法・証明書の発行体制です。ただし「許可を持っている」と書いてあれば安心、とは限りません。環境省は、産業廃棄物処理業の許可と古物商の許可を掲げている回収業者について、次のように説明しています。
「ご家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の『一般廃棄物処理業許可』や委託が必要です。『産業廃棄物処理業の許可』や『古物商の許可』では回収できません。」
「産業廃棄物処理業許可は、工場や企業の廃棄物を処理するための許可です。古物商の許可は、中古品等の売買を行うための許可です。」
出典:環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」Q3(2026年9月24日確認)
整理すると、次のようになります。
| その機器の立場 | 必要になる許可・枠組み |
|---|---|
| 家庭から出す「廃棄物」として回収する | 市区町村の一般廃棄物処理業許可、または市区町村からの委託 |
| 企業から出す「廃棄物」として回収する | 産業廃棄物処理業の許可(区分に応じて) |
| 中古品として売買・引き取りする | 古物商の許可 |
| 小型家電リサイクル法の枠組みで広域的に回収する | 国の認定を受けた再資源化事業者(認定事業者) |
つまり「無料回収」とひとくちに言っても、どの立場で引き取っているのかによって、必要な許可が変わります。申し込む前に、自分の機器が家庭から出るものか事業から出るものかを確認し、業者がその区分に対応しているかを確かめてください。処分方法がわからない場合は、まずお住まいの市区町村の廃棄物・リサイクル担当に問い合わせるよう環境省は案内しています。
そのうえで、消去方法を説明できるか、削除証明書を出せるかを確認します。無許可でトラックを流している回収業者は、その後の処理経路が追えません。
無料にならないのはどんなときか
弊社の場合、次のようなケースでは費用が発生します。あらかじめ知っておくと見積もりの行き違いを防げます。
- 郵送の送料:処分費・データ消去・証明書はすべて0円ですが、送料のみお客様のご負担です
- 出張回収の台数条件を満たさない場合:無料になる台数は地域ごとに異なります(東京23区の一部は1台から無料)。条件を下回る場合は出張費が発生します
- CRT(ブラウン管)モニターや大型テレビ:品目によって処分費がかかります
- シリアルナンバーのリスト化:弊社でリスト化する場合は一式2,200円(税込)です。お客様から一覧をご提供いただける場合は無料です
金額と対象地域の詳細はサービス条件一覧が基準です。
株式会社HAKUに限った「無料の範囲」と「送料・出張費など費用がかかるケース」は、HAKUのパソコン回収はなぜ無料?に短くまとめています。
まとめ
「パソコンを無料で処分できるなんて本当に大丈夫?」と最初は疑ってしまう気持ちも、ごく自然なことです。ですが、この記事でご紹介した通り、無料回収サービスはしっかりとしたビジネスモデルに基づいて運営されており、安全かつ便利に活用できる方法です。
回収業者は、再販売できるパソコンや部品のリユース、希少金属の抽出、有料オプションサービスなどを通じて収益を上げており、利用者から処分費を取らなくても事業として成立しています。
もちろん、すべての業者が優良とは限りません。だからこそ、「信頼できる業者を見極めるポイント」を押さえておくことが大切です。住所や連絡先が明記されているか、データ消去方法が明確に記載されているか、口コミやレビューの内容はどうか――これらを確認すれば、安心して依頼できる業者を見つけることができるはずです。
自宅やオフィスに眠っている古いパソコンがあるなら、今こそ無料回収サービスを賢く活用するチャンスです。安全に、そして手間なく。あなたの大切な情報を守りながら、地球にもやさしいパソコン処分を実践してみてください。
東京都内の法人向け無料回収業者を比較したい方は「東京のパソコン無料回収業者5選【2026年版】」、処分方法全般を知りたい方は「パソコン処分の方法を徹底解説」もあわせてご覧ください。
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