最終更新:2026年10月21日
プリンターは「何ごみか分かりにくい家電」の代表です。家庭用のインクジェットなら小型家電リサイクル法の対象品目(政令の「プリンターその他の印刷装置」)で、自治体の回収ボックスや粗大ごみに出せますが、会社で使っていたプリンターや複合機は産業廃棄物で、自治体のごみには出せません。メーカーの回収も、家庭用は受け付けず法人向けだけというケースがほとんどです。
さらに見落とされがちなのが、プリンターに残るデータです。複合機やレーザープリンターにはHDDやメモリが載っており、スキャンした書類、FAXの送受信記録、印刷ジョブが残っていることがあります。パソコンと同じように、処分前の消去が必要です。
本記事では、家庭用と業務用に分けて処分方法を整理し、メーカー3社(エプソン・キヤノン・ブラザー)の回収窓口、インクカートリッジ・トナーの出し方、処分前のデータ消去、リース機の扱いまでを解説します。
1. 家庭用と業務用で処分ルートが違う
プリンターの処分で最初に確認するのは、「家庭で使っていたか、事業で使っていたか」です。同じ機種でも、出どころで適用される法律と出せる先が変わります。
| 項目 | 家庭用(家庭から出るもの) | 業務用(会社・個人事業から出るもの) |
|---|---|---|
| 法律上の扱い | 一般廃棄物。小型家電リサイクル法の対象品目 | 事業系廃棄物。金属・プラスチック製品なので産業廃棄物(金属くず・廃プラスチック類) |
| 自治体の回収 | 小型家電回収ボックス、不燃ごみ、粗大ごみ(自治体のサイズ基準による) | 出せない |
| メーカー回収 | エプソンは家庭用プリンター本体を受け付けていない(自治体へ)。他社も買い替え時の下取りなど限定的 | エプソンはパソコン3R推進協会経由、キヤノンは販売店・お客様相談センター経由で回収 |
| 業者への依頼 | 家電量販店の引き取り、不用品回収業者(一般廃棄物の許可が必要) | 産業廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者。パソコン処分業者にまとめて依頼できる |
| リース機 | ― | リース会社・販売店へ返却(勝手に処分しない) |
なお、在宅勤務用に会社が支給したプリンターは「業務用」です。自宅で使っていても、会社の資産なら会社のルールで処分します。
2. 家庭用プリンターの処分方法5つ
① 自治体の小型家電回収ボックス(無料)
小型家電リサイクル法に基づき、多くの自治体が庁舎やスーパー、家電量販店に回収ボックスを置いています。ただし投入口のサイズ(一辺30cm未満など)が決まっているため、家庭用インクジェットでも入らないことが多く、実際には小型のモバイルプリンターやラベルプリンター向きです。
② 不燃ごみ・粗大ごみ(無料〜数百円)
自治体のサイズ基準で分かれます。例として「一辺30cm未満は不燃ごみ、30cm以上は粗大ごみ」「一辺50cm未満は燃やすごみ」など、自治体ごとに基準が異なります。粗大ごみは事前申込と処理券の購入が必要で、料金は数百円から千円程度が一般的です。インクカートリッジは外して、5章の方法で別に出します。
③ 家電量販店の引き取り(有料・買い替え時は無料のことも)
大手家電量販店は小型家電の店頭引き取りを行っており、買い替え時に古いプリンターを無料または割引で引き取る店舗もあります。条件は店舗・時期で変わるため、購入前に確認してください。
④ 売る・譲る(動作品のみ)
発売から数年以内で正常に動くものは、フリマアプリや中古買取で値段がつくことがあります。ただしプリンターは送料がかさみ、インク切れや目詰まりでトラブルになりやすいため、事前に動作確認と印字サンプルを用意しておきます。
⑤ 不用品回収業者(有料)
他の家具・家電とまとめて出したい場合の選択肢です。家庭から出るごみを収集するには自治体の「一般廃棄物収集運搬業」の許可か委託が必要で、「無料回収」をうたう無許可業者による不法投棄や高額請求のトラブルが続いています。自治体のサイトで許可業者を確認してから依頼してください。
3. 法人のプリンター・複合機の処分方法
会社のプリンター・複合機は産業廃棄物です。処分方法は次の3つで、いずれも自治体のごみ収集には出せません。
- リース・レンタル機はリース会社に返却する:複合機の多くはリースです。契約満了時の返却が原則で、勝手に処分すると契約違反になります。返却前にHDD・メモリのデータ消去(6章)を済ませ、リース会社に消去の実施方法を確認します。
- メーカーの回収窓口に依頼する:自社購入のプリンターは、メーカーが法人向けに回収・再資源化の窓口を設けています(4章)。費用は機種・台数により、有償が一般的です。
- 産業廃棄物の許可業者に委託する:パソコンやモニターの処分とあわせて、プリンターもまとめて引き渡す方法です。処分業者が産業廃棄物収集運搬業の許可を持っているかを確認し、マニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付を受けます。株式会社HAKUでは、パソコン回収時にプリンター・スキャナー・シュレッダーなども有償でお引き取りしています(7章)。
オフィス移転やレイアウト変更では、複合機1台のほかに各部署の小型プリンターが何台も出てくるのが普通です。複合機はリース会社へ返却、小型プリンターはパソコンと一緒に処分業者へと分けると、手配が1回で済みます。
4. メーカー回収の窓口|エプソン・キヤノン・ブラザー
| メーカー | 家庭用プリンター本体 | 法人のプリンター本体 | 消耗品 |
|---|---|---|---|
| エプソン | 回収していない。家庭から出る情報機器は一般廃棄物として自治体の指示に従って処分する案内 | 事業で使ったパソコン・プリンター・プロジェクターは「パソコン3R推進協会」が回収・再資源化。協会に直接申し込む | 純正インクカートリッジは店頭回収ポスト・郵便局の回収箱(里帰りプロジェクト)、大量の場合は無料の引取回収サービス(Web申込のみ) |
| キヤノン | 買い替え時の下取りなど販売店のキャンペーンに限られる | 購入した販売店、お客様相談センター、担当営業に相談。回収に協力できない場合は廃棄物処理法に従って処分する案内 | 使用済みトナー容器・カートリッジは本体とは別窓口(キヤノンリサイクルオペレーションセンター)で回収 |
| ブラザー | 本体の回収サービスはなし。公式サイトで自治体の粗大ごみ・小型家電、量販店、不用品回収業者などの選択肢を案内 | 産業廃棄物として許可業者へ、リース機はメーカーまたはリース会社へ返却する案内 | 使用済みトナー・ドラムは無料回収(回収でポイントが付く「トク刷るポイント」) |
各社の窓口・条件は変更されることがあります。依頼前に公式サイトの「回収・リサイクル」ページで最新の条件を確認してください。
5. インクカートリッジ・トナーの出し方
本体とカートリッジは分けて処分します。
- 家庭用インクカートリッジ(純正品):ブラザー・キヤノン・エプソン・日本HPの4社が共同で行う「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」の回収箱が、全国約3,600の郵便局と一部の自治体施設に置かれています。4社の純正品が対象で、無料です。家電量販店の店頭回収ポストも使えます。
- 互換インク・再生インク:里帰りプロジェクトの対象外です。販売元の回収案内に従うか、自治体の分別(多くはプラスチックごみまたは不燃ごみ)で出します。
- トナーカートリッジ・ドラム:各メーカーが無料で回収しています。ブラザーは「トク刷るポイント」、キヤノンはリサイクルオペレーションセンター、エプソンは環境推進トナーの回収サービスなど、窓口がメーカーごとに違います。法人で定期的に出る場合は、回収箱を置いてもらう方式が便利です。
- 未使用の在庫インク:買い取ってもらえることがあります。機種の廃番後は価値が下がるため、プリンター処分と同時に売却を検討します。
6. 処分前に必ずやること|データ消去と付属品の確認
複合機・レーザープリンターに残るデータを消す
複合機や業務用レーザープリンターの多くはHDDまたは大容量メモリを搭載し、次のデータが残ります。
- スキャンして送信した書類の画像
- FAXの送受信記録と画像、短縮ダイヤルに登録した取引先の番号
- 印刷ジョブのスプールデータ、ボックスに保存した文書
- メールサーバーやファイルサーバーの接続設定(ID・パスワード)、ユーザー認証情報
処分・返却前に、管理者メニューの「データ消去(HDD初期化・全データ消去)」と「設定の初期化」を実行します。メーカーによっては上書き消去の回数を選べます。リース返却の場合は、リース会社または保守会社が消去を行うかどうか、消去証明が出るかを契約で確認してください。自社で廃棄する場合は、HDDを取り外して物理破壊する方法もあります。
家庭用プリンターでも消すもの
家庭用のインクジェットにもWi-Fiのパスワードやクラウド印刷のアカウント連携が保存されています。本体の設定メニューから「工場出荷時の設定に戻す」を実行し、メーカーのクラウドサービスからも登録を解除します。
付属品の確認
- インクカートリッジ・トナーは外して5章の方法で別に出す(本体に入れたままだと液漏れの原因になる)
- SDカードやUSBメモリが挿さったままになっていないか確認する
- 電源ケーブル・USBケーブルは本体と一緒に出せることが多いが、回収先の案内に従う
7. パソコン処分業者にまとめて依頼する場合の料金
法人がパソコンの処分とあわせてプリンターを出す場合、処分業者の多くはサイズで料金を決めています。株式会社HAKUの場合、プリンター・スキャナー・シュレッダー等は縦・横・高さの合計で判定します。
| 縦・横・高さの合計 | 料金(税込) | 目安 |
|---|---|---|
| 110cm以下 | 1,100円 | 家庭用インクジェット、小型レーザー、ラベルプリンター |
| 110〜130cm | 3,300円 | A4複合機能付きインクジェット、A4レーザー複合機 |
| 130〜170cm | 5,500円 | A3対応インクジェット、大型のA4レーザー |
| 複合機・170cm以上 | 引取り不可 | オフィス用の据え置き複合機はリース会社・メーカーへ |
パソコン本体の処分料・データ消去・データ削除証明書の発行は0円で、出張回収は地域ごとの台数条件を満たせば無料です(千代田区・中央区・港区・台東区・文京区・渋谷区・新宿区は1台から)。プリンターの料金を含めた最新の条件は料金・台数条件の一覧をご確認ください。
まとめ
- 家庭用プリンターは小型家電リサイクル法の対象。自治体の回収ボックス・不燃ごみ・粗大ごみに出せる(サイズ基準は自治体ごとに異なる)。
- 会社のプリンター・複合機は産業廃棄物。自治体には出せず、リース返却・メーカー回収・許可業者への委託のいずれかで処分する。
- エプソンは家庭用本体を回収していない(法人はパソコン3R推進協会経由)。キヤノンは販売店・相談センター経由、ブラザーは本体回収なし。
- 純正インクカートリッジは郵便局の「里帰りプロジェクト」回収箱へ。トナー・ドラムは各メーカーが無料回収。
- 複合機・レーザープリンターにはスキャン画像・FAX記録・接続設定が残る。処分・返却前にデータ消去と設定の初期化を行う。
- パソコン処分業者にまとめて依頼すると手配が1回で済む。株式会社HAKUではサイズ別(1,100円〜5,500円・税込)でお引き取り、複合機・170cm超は対象外。
参考資料:環境省・経済産業省「小型家電リサイクル法」対象品目(使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律施行令)/エプソン「回収サービス/リサイクル」/キヤノン「使用済みプリンターの回収について」/ブラザー「家庭用・業務用プリンターの廃棄処分方法、回収場所は?」/インクカートリッジ里帰りプロジェクト公式サイト。各社の条件は2026年10月時点の公開情報に基づきます。
株式会社HAKUにご相談ください
株式会社HAKUでは、パソコンの回収とあわせてプリンター・スキャナー・シュレッダーなどの周辺機器もお引き取りしています(プリンターは縦・横・高さの合計サイズに応じた処分費がかかります。複合機・170cm超の大型機は対象外)。オフィスの入れ替えや移転で出る機器を、1回の回収でまとめて処分できます。
- 1台から大量処分まで対応。処分料・データ消去・データ削除証明書の発行は0円(出張回収は地域ごとの台数条件あり、郵送は送料のみ負担)
- NIST SP 800-88 Rev.2 に準拠したデータ消去(物理破壊・磁気消去・ソフトウェア消去)
- 消去方法を指定したい場合は有償のHDD・SSD物理破壊サービス(お客様先での立会い破壊にも対応)
- プライバシーマーク取得・ADEC消去プロセス認証★★★取得、2026年9月時点で累計取引社数15,000社
まずはお気軽にお問い合わせください。お見積り・ご相談は無料です。
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法人パソコンの処分・データ消去はHAKUへ
無料回収(東京・埼玉・千葉・神奈川の法人)/持込(千代田区)/全国郵送
Pマーク取得 / ADEC消去プロセス認証★★★取得 / 累計取引社数15,000社突破