最終更新:2026年9月
Windows Server 2016の延長サポートが、2027年1月12日に終了します。本記事の公開時点(2026年9月)で、残りはおよそ4か月です。
サーバーの入れ替えは、動作検証や業務停止の日程調整を伴います。台数が数台であっても、影響範囲の洗い出しから本番切り替えまでには相応の期間が必要です。この時期から動き出しても、決して早すぎることはありません。
そしてもう一つ、計画から抜け落ちやすいのが「入れ替えた後の、古いサーバーをどう処分するか」です。サーバーには複数のディスクが搭載され、その中には業務データが残っています。移行そのものに意識が向くあまり、処分の段取りが後回しになり、使わなくなった機器がラックや倉庫に置かれたままになるケースは少なくありません。
この記事では、サポート終了の正確な期限と移行先の選択肢を整理したうえで、旧サーバーを安全に手放すまでの手順を解説します。
Windows Server 2016のサポートはいつ終了する?
Windows Server 2016は「固定ライフサイクルポリシー」の対象製品で、メインストリームサポートと延長サポートの2段階が設けられています。
DATA|Windows Serverのサポート期限
- Windows Server 2016の延長サポートは2027年1月12日に終了します(対象エディション:Datacenter/Essentials/MultiPoint Premium/Standard)
- 次のバージョンであるWindows Server 2019も、2029年1月9日に延長サポートが終了します
- 期限までに移行できない場合、拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)を最大3年間購入して延命する選択肢があります
出典:Microsoft「Windows Server 2016 - Microsoft Lifecycle」/「Support for Windows Server 2016 will end in January 2027」
正確な期限は2027年1月12日
| バージョン | メインストリーム終了 | 延長サポート終了 |
|---|---|---|
| Windows Server 2016 | 2022年1月11日 | 2027年1月12日 |
| Windows Server 2019 | 2024年1月9日 | 2029年1月9日 |
すでにメインストリームサポートは2022年に終了しており、現在は延長サポート期間(セキュリティ更新のみ提供)にあたります。2027年1月12日を過ぎると、この更新も提供されなくなります。
対象となるエディション
Datacenter、Essentials、MultiPoint Premium、Standardの各エディションが対象です。エディションによる期限の違いはありません。Windows Server 2016上で動作するコンテナーも同じ日付に従います。
サポート終了後に起きること
期限を過ぎてもサーバー自体は動き続けます。だからこそ「まだ使えるから」と先送りされがちですが、実務上は次の3つの問題が生じます。
1. セキュリティ更新が提供されなくなる
新たな脆弱性が発見されても修正プログラムが配布されません。攻撃者にとっては修正されないことが確定している穴であり、サポート終了製品が狙われやすいのはこのためです。ファイルサーバーやAD(Active Directory)として社内の中枢を担っている場合、侵害の影響は1台にとどまりません。
2. 監査や取引先チェックで説明を求められる
ISO/IEC 27001:2022では、附属書Aの管理策8.8「技術的脆弱性の管理」が定められています。利用中の情報システムの技術的脆弱性に関する情報を得て、組織がさらされている状況を評価し、適切な手段をとることを求める内容です。
セキュリティ更新が提供されないOSは、脆弱性が判明しても修正できない状態が続きます。ISMSやプライバシーマークを運用している場合、この状態をどう扱っているかを説明できるようにしておく必要があります。取引先から情報セキュリティのチェックシート提出を求められた際も同様です。※ 管理策の一覧は東京都「ISO/IEC 27002:2022 管理策と目的」で公開されています。
3. ソフトウェア・ハードウェアが対象外になる
業務アプリケーションやウイルス対策ソフトの多くは、動作対象を「サポート中のOS」と定めています。トラブルが起きてもベンダーの支援を受けられず、原因究明が自社任せになります。
移行先の選択肢4つを比較
取り得る道は大きく4つです。台数、業務システムの制約、予算によって最適解は変わります。
| 選択肢 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 新しいWindows Serverへ移行 | オンプレミス運用を続けたい | ハードウェアも同時期に更新時期を迎えていることが多い |
| クラウドへ移行 | ハードウェア保守から解放されたい | 移行設計と回線の見直しが必要。ランニングコストの試算を先に |
| ESUを購入して延命 | 期限までに移行が間に合わない | 最大3年。あくまで時間を買う手段で、費用は毎年発生 |
| 用途を廃止・集約 | 役割が縮小している/他サーバーへ統合できる | 本番停止前に、参照されているデータの棚卸しが必要 |
Windows Server 2019への移行は慎重に
「とりあえず2019へ」という判断は、2年後に同じ作業を繰り返すことになります。2019の延長サポートは2029年1月9日で、2016との差は約2年しかありません。移行にかかる工数を考えると、より新しいバージョンかクラウドを検討したほうが結果的に負担は軽くなります。
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いつまでに何をすべきか|逆算スケジュール
本記事の公開時点(2026年9月)から2027年1月12日までは、およそ4か月です。年末年始を挟むことを踏まえると、実働期間はさらに短くなります。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 2026年9〜10月 | 対象サーバーの洗い出し、役割・稼働アプリの棚卸し、移行方針の決定 |
| 2026年10〜11月 | 移行先の構築、検証環境での動作確認、業務停止日の調整 |
| 2026年12月 | 本番移行、並行稼働による確認 |
| 2027年1月以降 | 旧サーバーのデータ消去・処分 |
注目していただきたいのは最後の行です。処分は移行が終わってからの作業になるため、計画の最後に置かれ、担当も決まらないまま放置されやすい工程です。移行計画を立てる段階で、処分までを含めて日程に入れておくことをおすすめします。
見落とされやすい「旧サーバーの処分」
入れ替えを終えた古いサーバーは、パソコンとは異なる注意点があります。
ディスクが複数搭載されている
サーバーはRAIDを組んでいることが多く、1台に4本、8本といったディスクが入っています。処分対象は「サーバー1台」ではなく「ディスク◯本」として数えるのが実務上は正確です。台数の見積もりを誤ると、処分の段取りも費用も変わってきます。
RAIDの解除や初期化ではデータは消えない
RAID構成を解除しても、各ディスクにはデータが物理的に残ります。OSの初期化やフォーマットでも同様で、専用ツールを使えば復元される可能性があります。詳しくは「パソコンのデータを完全消去する方法」で解説しています。
監査で証明書を求められる
法人の情報資産を廃棄した記録として、データ消去証明書の提出を求められる場面があります。処分が終わった後で「証明書はありますか」と聞かれても、遡って発行することはできません。委託する時点で確認しておく必要があります。
ラックからの撤去作業が発生する
データセンターやサーバールームに設置されている場合、ラックからの取り外し(アンラック)と搬出が必要です。重量があり、入館手続きや作業時間帯の制約もあるため、通常のPC回収とは段取りが異なります。
旧サーバーを安全に処分する5つの手順
手順1|資産の棚卸しをする
機器の型番、シリアル番号、搭載ディスクの本数と種類(HDD/SSD)を一覧にします。この一覧が、後で受け取る証明書と照合するための基礎資料になります。
手順2|データ消去の方式を決める
論理消去(ソフトウェアによる上書き)、物理破壊、磁気消去の3方式があります。サーバーのように機密性の高いデータを扱っていた機器では、物理破壊が選ばれることが多いのが実情です。方式ごとの違いは「データ消去方法の選び方」にまとめています。
手順3|実施場所を決める
自社内で立ち会って実施するか、業者に持ち帰ってもらうかを選びます。ディスクを社外に持ち出せない社内規程がある場合は、出張作業(オンサイト)が必要です。
手順4|証明書を受け取る
作業後、データ消去証明書を受け取り、手順1の一覧と突き合わせます。シリアル番号が記載されていれば、どの機器を処分したかを個別に示せます。
手順5|引き渡しの記録を残す
いつ・どの機器を・どこへ引き渡したかを記録として残しておきます。手順1で作った資産の一覧に、引き渡し日と受け取った証明書の番号を追記しておけば、後から問われたときにすぐ示せます。なお、まだ使える機器であれば買取によって処分費用を相殺できることもあります。
サーバーのHDD・SSDは物理破壊が確実な理由
サーバーから取り外したディスクをどう処理するか。法人の現場では物理破壊が選ばれることが多く、それには理由があります。
ソフトウェア消去が効かないディスクがある
データ消去ソフトによる上書きは、対象のディスクをOSが正しく認識できて初めて成立します。ところがサーバーのディスクには、次のような事情がついて回ります。
- SAS接続のディスクは、一般的なパソコンにつなぎ替えて消去ソフトを走らせること自体が難しい
- RAIDコントローラー配下のディスクは、単体で認識させるまでに手間がかかる
- 故障して認識しないディスクには、そもそも上書きができない
物理破壊はディスクを機構ごと破壊するため、認識するかどうかに関係なく処理できます。故障品を含めてまとめて処理できる点は、実務上の大きな利点です。
SSDは上書き消去との相性が悪い
SSDはウェアレベリングという仕組みで書き込み先を分散させるため、上書きしても元のデータが残る領域が生じる可能性があります。HDDとは構造が異なり、破壊時の対応も変わります。詳しくは「HDDとSSDの違い」で解説しています。
破壊した事実が目に見える
ソフトウェア消去は「消えたこと」をログでしか示せません。物理破壊であれば穴の空いたディスクという結果が残り、立ち会えばその場で確認できます。監査や社内報告での説明のしやすさから、物理破壊を指定する企業は少なくありません。
破壊方法と証明書
| 方式 | 内容 | 対応メディア |
|---|---|---|
| 穿孔(せんこう) | 専用機でディスクに穴を開け、記録面を貫通させる | HDD/SSD |
| 圧壊 | 強い圧力で本体を変形させ、記録面を破壊する | HDD/SSD |
| 磁気消去 | 強力な磁界でデータを消去する(外見は変わらない) | HDD・磁気テープ |
証明書は、ディスク1台ごとに写真を付けたものと、1枚に複数台をまとめて記載したものがあります。監査で個別の証跡が必要な場合は前者、台数が多く一覧で足りる場合は後者、といった使い分けになります。破壊の手順そのものは「ハードディスクの壊し方」で詳しく扱っています。
自分で壊すという選択について
ドリルやハンマーで破壊する方法もありますが、サーバーのように本数がまとまる場合は現実的ではありません。1本あたりの作業時間、破片による怪我、そして「確実に記録面を破壊できたか」を証明できない点が問題になります。数本であれば選択肢になりますが、業務用サーバーの入れ替えで発生する本数では専用機を使うほうが安全かつ早く済みます。
サーバー処分における当社の対応
- サーバーは無料回収の対象です。ラックマウント型・タワー型いずれも対応しています
- ディスクの物理破壊は、取り外し済みのHDD・SSD単体で1台1,540円(1〜10台)。台数が増えると単価は下がります
- 取り外しから任せる場合は1台2,090円(1〜10台)です
- データセンターでのアンラック(ラックからの取り外し)と搬出にも対応しています
- お客様の立ち会いのもとで破壊する出張作業が可能です。ディスクを社外に出せない規程がある場合にご利用いただいています
価格はすべて税込です。台数区分などの詳しい条件は「サービス条件一覧」に記載しています。
データセンターからの撤去については「データセンターサーバー引き上げ・廃棄サービス」、サーバー処分全般の費用相場は「サーバーの処分方法」もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. サポートが終了しても、そのまま使い続けてはいけませんか?
Q. ESU(拡張セキュリティ更新プログラム)はいつまで購入できますか?
Q. 旧サーバーのデータ消去は、自社で行っても問題ありませんか?
Q. 処分するサーバーが1台だけでも依頼できますか?
まとめ
Windows Server 2016の延長サポートは2027年1月12日に終了します。本記事の公開時点で残りおよそ4か月であり、検証と業務調整の期間を考えると、今から着手して過不足のないスケジュールです。
移行先は、新しいWindows Server、クラウド、ESUによる延命、用途廃止の4つ。「とりあえずWindows Server 2019へ」という選択は、2029年に同じ作業を繰り返すことになる点に注意してください。
そして、移行計画には旧サーバーの処分まで含めてください。サーバーは1台に複数のディスクを搭載しており、RAIDの解除や初期化ではデータは消えません。監査で証明書を求められることもあります。処分の段取りを移行と同時に決めておけば、使わなくなった機器が置き場所を占め続ける事態を避けられます。